セカンドオピニオン とは、医師の診断や治療法について患者自身が担当医とは別の医師の意見を聞くことです。但しこれは最初にかかった医師(ファーストオピニオン)がこれまで診断した検査データや診察内容を明らかにして公開することが前提となっています。
担当医の治療に納得がいかなかったらセカンドオピニオンを
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セカンドオピニオンはインフォームドコンセプトがベースになっている
セカンドオピニオンは、アメリカでは既に深く浸透している制度ですが、日本ではまだ不十分です。そこまで情報開示ができる病院は都市部の大病院に限られ、依然として医師の抵抗が強く、旧態依然とした考え方が主流です。
このセカンドオピニオンの仕組みが日本でも行えるようになったのは、従来の医師に100%信頼によるおまかせ医療ではなく、インフォームドコンセプトにより、治療の方針の決定に患者自身がかかわる社会的な変化が背景となっています。
インフォームドコンセプトとは、患者が検査や手術などを受けようとする時に、その医療行為について、目的と治療方法そして予測される結果や危険性などを医師から患者へ十分な説明をうけ、同意するというもので、一般的には同意書の作成を行います。
患者がセカンドオピニオンを求める理由
- 医学、医療は日々進歩しており、1人に医師が治療方法をすべて知っているわけではない。
- 医師や医療機関が患者に提供できる医療はどこでも同じとは限らない。
- 医師や医療機関では医療内容によってはできる治療とできない治療がある場合がある。
- 患者の方でも受けたい治療がいろいろある。
セカンドオピミオンは単純に医師を替えることではない
セカンドオピニオンの本来の意味は、患者にとって最善と思える治療方法を患者と医師が一緒になって判断し、そのために別な医師の意見も聞くことです。
セカンドオピニオンは医師や病院を変えることではありません。患者側が一方的に医師や病院を変えることは転院、転医と言います。ここでは担当する医師の意見は入っておりません。
主治医にセカンドオピニオンが言いにくい
主治医との関係の悪化を恐れてセカンドオピニオンを言い出せない人がたくさんいます。
セカンドオピニオンの基本的なスタンスからすれば何の心配もないのですが、実際には地方の病院や医師などではセカンドオピニオンを正しく理解していなかったり、古い体質の医師だったり、あるいは何かとプライドの高い医師が多く見受けられます。
こうした医師にセカンドオピニオンを申し出ると、診察の継続を断られたり、不機嫌になったり、おどされたり、あるいは転院、転医を求められる場合もあります。
このような時はどうしたらいいでしょうか。最も重要なことは、その医師の下で、治療を続けていくことができるかどうか、よく吟味することです。大変難しい局面ですが、自分の体のことですから、納得のいく治療を受けるために、思い切って必要なことを伝えるべきです。
この場合はその担当医の協力は得られないかもしれませんが別な医師の意見も聞きたい旨をしっかり伝えましょう。
セカンドオピニオンの手順
患者がセカンドオピニオンを考える時は、現在受けている治療法に納得がいかない、もっと設備の整った病院で治療を受けたい。あるいは担当の医師との信頼関係が崩れてしまった、信頼ができないと思った時でしょう。
別な角度から診察すれば、もっと良い治療法が見つかるのではないかと思うのは至極当然です。
セカンドオピニオンを申し出る前に、ファーストオピニオンの医師から、現状の病気の状態、進行状態、今後の治療方針や医師の意見などを十分理解しておく必要があります。できればそれを記録しておきましょう。
高齢者の場合のセカンドオピニオンは大変難しいです。必ず家族の人が患者の身になって医師の話を聞き取りましょう。
そして担当する医師にセカンドオピニオンを受けたい旨を伝え、紹介状や各種の検査データ、病理検査、X線、CT、MRIなどのデータを準備してもらいます。
次にセカンドオピニオンを受ける医師の診察を受けます。
最近のガンの治療を行っている病院ではセカンドオピニオン外来を設けているところもあります。
基本的にはファーストオピニオンの医師から紹介された病院の医師を訪ねることになります。
セカンドオピニオンの医師に何故別な医師による診察を求めたか、これまでの治療経緯、データ、現状の状態などを正確に伝え診察を受けます。
診察が終わったら、医師の意見をしっかりメモして治療や治療方針にどのように変化があったかどうかをファーストオピニオンの医師に伝え、今後の治療方針を検討し決定します。
セカンドオピニオンを受けた病院で治療を受ける場合もあるでしょう。セカンドオピニオンにより、より治療への理解度が深まることでしょう。
まとめ
担当医の治療に納得がいかなかったらセカンドオピニオンを
セカンドオピニオンはインフォームドコンセプトがベースになっている
患者がセカンドオピニオンを求める理由
セカンドオピミオンは単純に医師を替えることではない
主治医にセカンドオピニオンが言いにくい
セカンドオピニオンの手順