「腹水とは何かな?(前編)」では、 腹水とは どのようなものなのかご説明いたしました。後編では、腹水の症状や検査方法、また治療方法についてご説明いたします。腹水が長引くと全身の機能低下が起こります。
腹水とは何かな?(前編)
腹水とは 、何らかの原因で腹腔内の体液が通常より増加した状態をいいます。血管の水分に圧力がかかると腹腔内に滲出します。肝硬変では門脈圧亢進で血管圧力が上昇し、腹膜炎では腹腔への血管透過性が高まり、腹水になることがあります。
腹水になる原因疾患には、肝硬変、肝がん、劇症肝炎、膵臓がん、肺炎、ネフローゼ症候群、心不全、腹膜炎などがあります。
腹水は肝硬変を原因とする場合が最も多いです
腹水 とは、種々の疾患(具体的な症状)により、お腹(腹腔内)にたまる液体のことです。腹水が多くなると、お腹の皮膚がふくらんで仰臥位(上を向いて寝た状態)では、おヘソのまわりが平坦になって、カエル腹のようになり、呼吸が苦しくなります。
肝硬変により生じた腹水の治療(後編)
「 肝硬変により生じた腹水の治療(前編)」では、肝硬変より生じた腹水についてご説明いたしました。後編では、コントロールができない 腹水 に対しての 治療 方法をご紹介いたします。
また、下記する処置ができない場合、肝移植が行われることもあります。
肝硬変により生じた腹水の治療(前編)
肝硬変に合併した 腹水 は、まず塩分や水分を制限し、利尿薬(抗アルドステロン薬が第一選択。ループ利尿薬やバソプレシンV2受容体拮抗薬を併用する場合もあり)で 治療 します。
アルブミン製剤を点滴することもあります。これらで無効な場合に腹水穿刺排液や腹水濾過濃縮再静注法を行います。なおもうまくいかないときには、腹腔-静脈シャント、経頸静脈肝内門脈大循環、肝移植が検討されます。