激痛を伴い突然襲ってくる痛風という病気の発症の有無は日常の食事内容によって大きく影響されます。痛風と診断された後の食事療法と痛風にならないための食生活については共通する点がありますので、 痛風 と 食事 との関係をよく理解して日頃から注意する必要があります。
あなたは痛風と食事との関係を知っていますか(前編)
痛風はどうして食事と関係するのか
痛風という病気は紀元前から存在したという記録もあり、西洋においては著名な有名人が痛風にかかっていたことが報告されています。いわゆる「ぜいたく病」と言われる由縁です。
しかし、日本においては明治以前にはほとんど痛風患者がいなかったという記録が安土桃山時代から明治時代まで来日してきた宣教師らによって報告されています。
明治以降になって痛風の患者が報告されてきましたが、特に、昭和20年の太平洋戦争終了後から今日まで急速に患者が増加してきました。
この大きな原因として考えられるのは日本人の食生活の変化であり、特に高タンパク・高脂肪の食品の摂取という「食生活の欧米化」が大きな要因であると言われています。
このような食生活の変化の中で、痛風を予防・改善するには食生活の改善が第一であること、特にプリン体を含む食品は避けるべきということが通説となっていました。
しかし、体内に含まれるプリン体の量は食品から摂取するプリン体の20%から30%程度しかないということが判明してきました。現在では、痛風の直接原因である尿酸値の増加をおさえる治療法として薬物治療と食事療法を併用して痛風の改善を行っています。
プリン体を多く含む食品を制限することだけで尿酸値を急激に下げるということはありません。但し、プリン体を多量に摂取することは、決して良い影響を与えないこともありプリン体を多く含む食品は控える必要があります。
食生活の欧米化は生活習慣病の原因ともなり得ることから、痛風を改善する食事療法とは生活習慣病を予防する食生活であることを意味しています。
痛風治療と痛風予防のための食生活の基本とは
痛風の改善・予防のための食生活の基本としては「適正なカロリーを摂取して肥満に注意する」「栄養のバランスを考えた食事をする」及び「規則正しい食生活を行う」の3つルールを守ることです。
過剰なカロリー摂取が原因となる肥満が尿酸の排出量を抑えてしまうことが分かっており、逆に体重を減らすことによって尿酸の排出量を増やすことも判明しています。一日の適正カロリー量は標準体重から算出されますので、しっかりと把握しておくことが重要です。
栄養の偏り、暴飲・暴食などが生活習慣病である高血圧・高脂血症・糖尿病などを発症し、同時に痛風を悪化させることがわかっています。
長年の食生活習慣の積み重ねが痛風にとっても大きな影響を与えていますので注意が必要です。
まとめ
あなたは痛風と食事との関係を知っていますか(前編)
痛風はどうして食事と関係するのか
痛風治療と痛風予防のための食生活の基本とは