糖尿病の診断基準として、血糖値が関係していることは知られていますが、より明確に判断する上でHbA1cの値が重要だとされています。Hba1c は年代によってその 正常値 も変化します。
個々にあった正常値を知って、健康を保つにはどのような方法があるのかを紹介します。
糖尿病と密接に関係するHbA1cの正常値とは?
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血糖値とHbA1cの違いとは?
血糖値は血液中に含まれるブドウ糖の量を示すものですが、前日の食事内容や運動量などに左右されやすく、糖尿病が疑われる数値が出た場合は、より正確に診断するために、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値を測定します。
Hba1cは、血液中でヘモグロビンとブドウ糖が結合したものの値を指し、血液中のブドウ糖が余っているほどその数値は高くなります。
Hba1cの場合、食事内容や運動量に左右されず、過去1~2ヶ月の血糖状態を示しますので、糖尿病をより正確に診断する上で重要な値となります。
HbA1cの正常値は加齢とともに上昇
Hba1cの正常値は4.6~6.2%とされており、5.6%以上でいわゆる糖尿病予備軍の疑いがあり、6.5%以上で糖尿病疑いであるとされています。6.5%程度の状態を放置しておくと、短期間で7~8%以上に一気に上昇する、と言われています。
また、8.4%以上まで上昇した場合、合併症のリスクが格段に高くなるとされます。しかし、HbA1cの正常値は、加齢とともに上昇傾向にあり、20歳代男性で5.3%、女性では5.2%ですが、70歳代男性で5.9%、女性では5.8%となっています。
日本糖尿病学会と日本老年医学会による合同委員会が発表した高齢者糖尿病の血糖コントロールの目標によると、健康状態や内服薬に応じてカテゴリ別に7.0~8.5%とされており、特に高齢者の場合は他の疾病との関係もあり、緩めに設定がなされているようです。
HbA1cが上昇する原因と改善方法
HbA1cが上昇する原因としては、偏食、運動不足、肥満、糖尿病家系である、喫煙やストレスなど実にさまざまですが、生活習慣の乱れが関わるものばかりです。
Hba1cの値が自身の年代の平均値よりも高い場合、生活習慣を改善し、まずは普段の血糖値を下げる必要があります。特に食生活の改善と適度な運動が効果的だとされていますが、継続して行わなければ意味がありません。
自分にあった無理のないペースで改善を図りましょう。1~2ヶ月継続すれば、HbA1cを下げることができると言われています。また、急激に数値を下げると、血管に負担がかかる為、半年間で2%ずつさげることが理想とされています。
HbA1cを下げる食材とは?食べる順番にもポイントあり
主に野菜中心の生活を送ることで、HbA1cを下げることに十分な効果をあげられますが、その中でも特にブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜やごぼう、蓮根など食物繊維を多く含む根菜類も効果が高いとされています。
また、くるみやアーモンドなどのナッツ類、海草類、豆腐などもおすすめです。食材だけではなく、食べる順番にもHbA1cを下げるポイントがあります。
最初に食物繊維を多く含んだ野菜類→タンパク質を多く含むおかず→主食の順番で食べることで、糖分の高い炭水化物の吸収を遅らせることができます。おかずなしで食べにくい方は、梅干しや少量のおかずとともに食べても可です。
HbA1cを下げるために有効な運動とは?
Hba1cの値が高くなる原因には運動不足があげられますが、だからといって急激な運動は逆にHbA1cの値を高めてしまうこともあります。毎日少しずつ続けることができる、適度な有酸素運動を心がけましょう。特にウォーキングがおすすめです。
また、食事をとって1時間以内に始めると効果が高いとされています。目安としては、少し早歩きで1日30分、1万歩程度、が良いと言われています。
しかしまとめて時間がとれない方や、身体に負担のかかりやすい高齢者の場合は、10分×3回に分けて行うことでも同等の効果が得られます。
通勤途中、ひとつ手前の駅で降りてみる、スーパーまで歩いて行く、など普段の生活の中で取り入れて行うことで継続的に運動の機会を作ることができます。こう言った普段からの意識付けが、HbA1cの値を正常値にするための近道です。
まとめ
糖尿病と密接に関係するHbA1cの正常値とは?
血糖値とHbA1cの違いとは?
HbA1cの正常値は加齢とともに上昇
HbA1cが上昇する原因と改善方法
HbA1cを下げる食材とは?食べる順番にもポイントあり
HbA1cを下げるために有効な運動とは?