「アミラーゼの数値が高いとき疑われる病気と予防法について(前編)」では、アミラーゼの働きについて、またアミラーゼが高い場合に疑われる病気についてご説明いたしました。後編では、 アミラーゼ が 高い 場合にあらわれる症状をご紹介いたします。
アミラーゼの数値が高いとき疑われる病気と予防法について(後編)
アミラーゼが高い場合に疑われる病気とその症状について
急性すい炎
何らかの原因によりスムーズに機能しなくなり、すい臓が自分で自分を消化し始めてしまいます。
そうなると、すい臓が浮腫んだり、出血、壊死など急激に炎症が起こります。炎症が起こったすい臓から、心臓、肺、肝臓、腎臓、消化器官に障害が及び機能しなくなる可能性があります。
初期症状としては、ほとんどの方が腹痛を訴えます。上腹部に激しい痛みを訴える方が多いのですが、痛みの程度はそれぞれ違います。食事のあと、数時間してから症状があらわれるケースが多いといわれています。吐き気や嘔吐、食欲不振、膨満感などの症状もあります。
慢性膵炎
慢性的な炎症によりすい臓の正常細胞が徐々に壊されていく病気です。ゆっくりと進行する病気で、一度かかるとなかなか治癒は難しいと考えられています。進行や悪化を防ぐためにもできるだけ早い段階での治療が必要となります。
膵のう胞
血液や浸出液などが溜まった袋状ののう胞がすい臓にできたものです。のう胞は基本的には良性のものが多く放置しておいても問題ないものもありますが、中には大きくなったり、数が増えて臓器を圧迫したり臓器の機能がおちることもあるので、注意は必要です。
膵のう胞でもっとも注意が必要なものは、腫瘍性のものです。すい管内にできた腫瘍からでる粘液がすい管内に溜まってのう胞になる、すい管内乳頭粘液性腫瘍は悪性である可能性が高いため手術が必要になります。
中年女性に多くみられ、癌化する可能性が指摘されています。
初期症状は特にありませんが、腫瘍が大きくなった場合には、上腹部に痛みや不快感などの症状があらわれることがあります。
すい臓がん
すい臓がんの症状は非常に現れにくく、早期発見がとてもむずかしい病気です。その中でも特徴的な症状の一つに、背中の痛みがあります。鈍い痛み、なんとも言えない嫌な感じがする場合には一度検査をすることをお勧めします。
痛みが背中のため、整形外科を受診する方もいらっしゃいます。また下痢も症状の一つにあげられています。
急性耳下腺炎
ウイルスや細菌が口や鼻から感染し血液を介して全身に広がって唾液腺に入ったものが、耳下腺炎や顎下腺炎を引き起こします。流行性耳下腺炎はおたふくかぜのことです。
アミラーゼが高くならないようにするための予防法について
アミラーゼの数値が高くなる病気として疑われるのは、1つはすい臓の病気でもう一つは唾液腺の病気です。すい臓の病気などでは、重症化するととても危険な状態に陥ります。日常生活において気を付けることで、多少なりとも予防はできる可能性はあります。
1つ目は、暴飲暴食をさけることが大切です。アミラーゼが高い方で慢性膵炎の原因の70%はアルコールの過剰な摂取だと言われています。脂質の多いものを大量に摂ることもすい臓には負担になります。
アミラーゼの高い人は、日頃の食生活を改善し、規則正しいバランスのとれた食事をこころがける必要があります。栄養のある食べ物をしっかりと摂取するようにしましょう。
2つ目は、精神的なストレスを減らす努力をしてみましょう。現代のいずれにおいてもストレスのかかる環境の中においては、とても難しいと思われますが、ストレスはあらゆる病気の根源ともなりかねませんので、上手に発散できるようにします。
3つめは、身体的な疲労を溜めないことも大切です。精神的にも肉体的にも疲れきってしまっては、身体は悲鳴をあげます。十分な睡眠をとるようにし、疲れが何日分もたまらないようにすることが大切です。軽い運動をして気分をリフレッシュなどいいかもしれません。
4つ目は、喫煙は控えることです。喫煙は身体によいことはほとんどありません。喫煙しながらお酒の量も増えてしまうとなるとすい臓をはじめ、ほかの臓器もかないません。
アミラーゼが高くなる場合には、原因不明の場合ももちろんあります。しかし、日頃のちょっとした改善意識で病気の予防になることもあるはずです。もう一度、食生活から日常生活、生活習慣など、見直してみるきっかけにしてみてください。
まとめ
アミラーゼの数値が高いとき疑われる病気と予防法について(後編)
アミラーゼが高い場合に疑われる病気とその症状について
アミラーゼが高くならないようにするための予防法について