アレルギー性鼻炎 の 手術 には、レーザー手術と神経切断手術があります。アレルギー反応がでないように、炭酸ガスレーザーなどで鼻粘膜を薄く焼きます。
神経切断手術は、レーザー手術で効果がみられない重度のアレルギー性鼻炎の人が対象となります。副交感神経の一部を切断し症状を緩和する手術です。
アレルギー性鼻炎は手術で治るの?
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は鼻粘膜の過敏症をいい、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状がみられます。ハウスダスト、花粉、ペットの毛などのアレルゲンが鼻粘膜を刺激し、くしゃみや鼻水が止まらなくなります。
アレルギー性鼻炎の1つに花粉症があります。アレルギー性鼻炎にはアレルゲンによる季節性のものと、1年中症状がでる通年性のものがあります。
今回は、アレルギー性鼻炎の手術についてお話します。
薬物療法では改善されない、重度のアレルギー性鼻炎の人には手術療法が効果的です。レーザー治療は、レーザーで粘膜を焼灼することで、粘膜の収縮で鼻腔が広がり鼻詰まりが改善されます。高周波を通電させ鼻粘膜下を凝固させる方法が高周波凝固療法です。
アルゴンガスをアレルギー反応を起こしている下鼻甲介部分に噴射し、鼻粘膜を高周波放電で焼き固める方法がアルゴンプラズマ凝固療法です。
下鼻甲介切除術は、炎症を起こしている鼻粘膜を切開したり、粘膜裏の骨をくり抜くように切除する場合があります。下鼻甲介切除術以外は数十分程度で手術が終了するため、日帰りで手術を受けることが可能です。
最近では、鼻粘膜をアレルギー反応が起こりにくい粘膜に変えたり、アレルギーが起こっても鼻詰まり、鼻水、くしゃみが起こりにくい粘膜に変えたりすることが可能になっています。
ラジオ波下甲介焼灼術と後鼻神経凍結術を組み合わせて手術を行うことや、鼻中隔矯正術と粘膜下下甲介骨切除術の併行、粘膜下下甲介骨切除術と後鼻神経切断術の手術などが行われています。
レーザー治療では、アレルギー反応を起こす鼻粘膜全体にレーザーを照射しないので、症状が全くなくなるわけではなく、再発の可能性もあります。
アレルギー性鼻炎の治療
アレルギー性鼻炎の治療には投薬治療と手術治療があります。投薬治療では一般的に抗ヒスタミン剤が処方され、くしゃみや鼻詰まりを緩和します。
漢方薬の小青竜湯が処方される場合もあります。鼻詰まりがひどく日常生活に支障がでる、症状が重くなってきている、服薬しても症状が改善しない場合は手術治療を行います。
鼻粘膜を焼いたり、鼻腔の形を変えたりすることで、鼻炎の症状を和らげることができます。
アレルギー性鼻炎の薬物療法
アレルギー性鼻炎の薬物療法には、抗アレルギー剤、ステロイド薬、抗ヒスタミン薬、抗血管収縮性点鼻薬などが使用されます。
抗アレルギー剤はアレルギー反応で発生する化学伝達物質の発生と活動を抑制し、ステロイド薬はアレルギー物質を抑制する抗体を作ります。
抗ヒスタミン薬はヒスタミンによる知覚神経の刺激を抑制し、抗血管収縮性点鼻薬は鼻粘膜の血管を収縮させ鼻詰まりを解消します。
アレルギー性鼻炎の予防対策
アレルギー性鼻炎の予防対策としては、①部屋の掃除を適切に行う、②毛が飛ぶようなインテリアや家具などを置かない、③花粉症の人はその時期に外に洗濯物を干さない、④部屋室温は20~25℃、湿度50%とする、⑤高い頻度で枕カバーやシーツを交換する、⑥アレルギー検査をしてから犬や猫を飼う、⑦枕カバーやシーツはダニを通さない素材にかえるなどがあります。
アレルギー性鼻炎における体質改善
特定のアレルゲンに対して抗体が作られ、自己免疫系の過剰反応によって症状がでるI型アレルギーは、アレルギー性鼻炎の代表的な発症例です。
このI型アレルギーの抗体を減らす治療法はなく、減感作療法でも遮断抗体の発生は認められていますが、抗体自体の減少はないとされています。
アレルギー症状は、精神・肉体的ストレスなどによる自律神経の状態によって左右されます。抗アレルギー剤、漢方薬、理学療法などは、アレルギー反応が起こりにくく、自律神経失調を改善するために用いられます。
持続的な抗アレルギー剤や漢方薬などの服薬や治療は、体質改善につながり症状も緩和されます。
まとめ
アレルギー性鼻炎は手術で治るの?
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎の治療
アレルギー性鼻炎の薬物療法
アレルギー性鼻炎の予防対策
アレルギー性鼻炎における体質改善