アルツハイマー 型認知症などの問診・ チェック 方法として、医療機関などではMMSE検査や長谷川式簡易知能評価スケールが使用されています。
これらの知能検査では、言語・問題解決・記憶能力や計算・注意力などの検査が行われます。採点によってアルツハイマー型認知症の診断を行います。
アルツハイマー型認知症のチェックとは?
アルツハイマー型認知症の発生機構
アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)とは、脳が徐々に萎縮し、それにともなって記憶・判断力が低下する変性型認知症で、早発性と晩発性アルツハイマー型認知症があります。
アルツハイマー型認知症とは異なり、外科治療が可能な脳血管性・水痘症性認知症があります。
複数のアミノ酸から形成されるAβが老人斑の主成分です。脳内にはAβの分解・除去機構が存在しますが、Aβの過剰生産や排泄機能の低下によりAβが蓄積され老人斑ができます。
神経原線維変化の主成分は、タンパクタウが過剰にリン酸化されたもので、Aβ凝集物がタウのリン酸化酵素を活性化させます。
この過剰リン酸化タウタンパクが脳に蓄積し、萎縮が起こります。
今回は、アルツハイマー型認知症の問診・早期診断などについてお話します。
長谷川式簡易知能評価スケールなどでは、言語・記憶能力や計算力などの問診が行われ、認知能力の状態をチェックします。
医療機関によっては、簡易なスクリーニング検査や独自のチェックリストにより検査を実施したり、時間・場所などの把握能力や記憶力などの認知機能テストを実施するところもあります。
老人斑や神経原線維変化はアルツハイマー型認知症の特徴で、PET検査でアミロイドやタウタンパクの異常を検出することができるようになり、早期診断に役立っています。
神経細胞の脱落は脳萎縮につながります。萎縮前に脳機能の低下が起こりますので、これを脳血流SPECTなどで検出します。
発症前や軽度認知障害などの早期診断を行うことによって、早期治療が可能となります。
認知症の検査・診断方法
認知症初期の兆候には、感情の起伏が激しくなったり、何度も同じことを言ったり、自力で家に帰れなかったり、食事したことを忘れたりすることがあります。
認知症の改善には、早期診断・早期治療が必要です。
認知症の検査・診断方法には、遺伝子・血液・身体検査、神経学的検査、X線CT・MRI・PET・SPECT検査などの脳画像検査があります。
PET・SPECT検査
PET検査では、脳神経細胞でブドウ糖代謝の状態診断ができます。アルツハイマー型認知症の人はブドウ糖消費が減少するので、脳ブドウ糖代謝が低くなります。
SPECT検査では、血流量などの測定から認知症の診断が可能です。
認知症には、アルツハイマー型認知症のほかにレビー小体型・前頭側頭型・脳血管性認知症があり、血流の状態変化をみるは、SPECT検査で画像診断が可能です。
X線CT検査
脳のX線CTを行いレントゲンよりも精密で、脳血流状態などの高度な診断が可能です。
MRI検査
脳萎縮状態や認知症の原因などの診断には、MRI検査が最適です。慢性硬膜下血腫や特発性正常圧水頭症などによる認知症の場合は、手術治療が可能になります。
MRI画像処理によって、早期アルツハイマー型認知症にみられる海馬の萎縮程度が判別できます。
遺伝子検査
アルツハイマー型認知症には、10種類の遺伝子が関係しています。なかでもアポリポタンパクEはよく知られています。
遺伝子の保有は発症リスクを高めますが、必ず発症するわけではありません。
血液検査
アルツハイマー型認知症は、脳内にAβタンパクやリン酸化タウタンパク質が凝集・蓄積し発症します。
Aβ・タウタンパクの検査の進歩とともに、早期診断が可能になってきています。
まとめ
アルツハイマー型認知症の検査方法とは?
アルツハイマー型認知症の発生機構
認知症の検査・診断方法