若いころは便秘になんてなったことがないのに、歳をとるにつれて便秘になりやすくなったなと感じる方もいらっしゃるかと思います。歳をとっても便秘にならないためにはどうすれば良いのか、またすでに 便秘 の方は解消法などをご紹介していきます。
気を付けたい高齢者の便秘
高齢者が便秘になりやすい原因
いくつか原因があるといわれていますが、一番大きな原因は加齢による身体の衰えです。歳をとると筋力が低下します。特に腹筋周りの筋力が衰えてしまうと、腸の働きも弱めてしまいます。
腸がうまく働かないと、便が運ばれないだけでなく、長時間腸内に留まるので水分が奪われ、さらに便秘が悪化してしまうのです。そのほかにも、自然と食事の量が減ることや、服用する薬の影響を受けて便秘につながるということが分かっています。
高齢者の便秘解消法の注意点
高齢者の方の便秘解消法には3つほど気を付けたい点があります。
1つ目は食物繊維の取りすぎです。食物繊維は便秘の解消には重要な栄養素になりますが、腸の機能が弱まってしまっている状態で、多くの食物繊維をとっているのに水分量が少ないと便が硬くなる原因になってしまいます。
次に、水分補給の際に冷たい水は禁物です。“冷え”は内臓の機能を低下させます。冷たい水を飲むと、もともと弱っている内臓機能をさらに弱めてしまうことになります。
最後に、便秘薬に含まれる「酸化マグネシウム」の長時間に続く服用は高マグネシウム血症を引き起こしてしまう原因になるといわれています。高マグネシウム血症にかかってしまうと、呼吸抑制や意識障害、不整脈、心停止などの症状が起きてしまうため、注意が必要です。
注意点を踏まえた便秘解消法
まずは、トイレに行く習慣をつけましょう。加齢により便の量そのものが減ってきてしまうのに加え、トイレへ行くことさえも負担と感じて無理に我慢してしまう方も多いかと思いますが、便意がなくとも決まった時間にトイレへいき、身体が反射的に便意を感じるように習慣づけることが必要です。
次に、身体を動かすことです。特にハードな運動は必要なく、ウォーキングや家事などの無理をしない程度で毎日かかさないように運動をすることが大切です。
最後に食生活の改善です。まず、水分を多くとることです。高齢の方は喉が渇いたと感じにくくなり水分をなかなかとらない傾向にあります。水分不足は便秘の大きな原因になるので、気が付いたら水を飲むように意識しましょう。
さらに、オリゴ糖や乳酸菌を多く含む食事をとるように意識しましょう。加齢により、腸内細菌が減っていくといわれています。乳酸菌を含む食事で不足しがちな腸内細菌を補いましょう。
便秘と関連のある気を付けたい病気
うつ病や糖尿病は便秘を引き起こしてしまう可能性がある病気です。これらは神経機能の低下を招き、腸の運動を弱めることで便秘を誘発するといわれています。
また、うつ病は何かをすることが面倒くさくなり、次第にトイレへ行くことも面倒になります。このことも便秘につながるひとつの原因です。さらに、糖尿病のほかにも甲状腺機能低下症などの病気も便秘になりやすいといわれています。
反対に、便秘が原因で病気を悪化させてしまう場合もあります。それは、高血圧です。なにが怖いのかというと、“いきむ”という行為がさらに血圧をあげてしまうため、高血圧の方にとって便秘は禁物なのです。
これまでいろいろな原因や対処法などをご紹介しましたが、あくまでも参考にしていただきたい内容です。これらの方法を試してみてもあまりにも便秘が長く場合には病院での診察をおすすめします。
まとめ
高齢者が便秘になりやすい原因
高齢者の便秘解消法の注意点
注意点を踏まえた便秘解消法
便秘と関連のある気を付けたい病気