「高齢者の膀胱炎の症状と特徴について(前編)」では、膀胱炎の症状についてお伝えいたしました。
後編では、膀胱炎の特徴や治療法についてお伝えいたします。高齢になると 膀胱炎 の 症状 そのものに気が付かないという可能性もありますので、すこしおかしいと感じたら病院を受診するようにしましょう。
高齢者の膀胱炎の症状と特徴について(後編)
高齢者の膀胱炎の特徴について
ご高齢になると、病気にかかりやすくなります。それは、体力や免疫力、抵抗力が落ちてくるためです。それだけではなく、高齢者の方は、泌尿器科以外の病気を持っていらっしゃる方が多く、膀胱炎以外での泌尿器科の病気のある方も多いことが特徴です。
例えば、男性では前立腺肥大症という基礎疾患があります。55歳以上の男性では、5人に1人は前立腺肥大症だともいわれています。残尿感、頻尿、尿意切迫感、排尿のときにいきまなければ出ないなど、さまざまな症状があります。
だんだん尿が出なくなると、細菌を尿で流すことができなくなることで、膀胱炎を引き起こしてしまいます。
中高年の女性に多い基礎疾患といえば、腹圧性尿失禁です。この病気は、せきやくしゃみなど、急にお腹に力が加わったときに尿が漏れることです。膀胱が下におりて尿道が短くなっていることで、尿が漏れやすくなっている状態です。
おむつとまではいきませんが、尿漏れシートなどを利用すると蒸れたり、取り替えられなかったりすることで、衛生状態の悪さから膀胱炎になる可能性も高くなります。
高齢者の方は特に水分を十分にとり、尿を我慢しないように心がけましょう。
若い時よりも身体からのサインを見逃しやすくなっていることもあるので、なんとなくトイレに行ったときの調子がいつもと違うようであれば、早めに病院を受診してみることが大切です。
膀胱炎の治療や予防法について
膀胱炎は大腸菌などの原因菌が原因でおこる病気ですので、その原因菌に適した抗生物質もしくは抗菌剤が使われます。通常であれば、2~3日その薬を服用すれば症状は改善します。
しかし、膀胱内の細菌が完全に死滅するまでにはもう少しかかりますので、症状がおさまったということで服薬を勝手に中止しないようにします。尿検査で病気の状態はわかりますので完全に最後まで治療を行ってください。再発を防ぐという理由でもあります。
予防法として、膀胱炎にならないようにするためには、どうしたらいいか考えましょう。
- 水分をしっかりとこまめにとる習慣をつけることです。
- 身体や下半身を冷やさないように心がけてください。
- 運動をするにしても、疲れすぎないようにします。
- トイレを我慢しないことです。
- シャワートイレなどを利用して清潔に保つことが大切です。
- 食事はバランスよくとり、便通を整えるようにします。
- 前立腺肥大症や腹圧性尿失禁などの基礎疾患がある場合は、そちらの治療も正しくうけることです。
今回は、膀胱炎の症状と高齢者の特徴についてご説明いたしました。ご高齢ということで、若い時とは違い、免疫力の低下などで細菌に感染しやすい身体になっていることもおわかりいただけましたでしょうか。
身体自体が鈍感になっていて、症状そのものに気が付かないという可能性も多々あると考えられます。重症化しないため、慢性化しないためには、早期の治療が大切です。治療そのものは薬を服用することですので、難しいことではありません。
少し調子がおかしいと感じたときには、早め早めの対処をしてください。また、周りにいる方が、おじいちゃん、おばあちゃんの様子を少しだけ注視してあげると、異変に気が付く場合があります。
トイレにしょっちゅう行っているなとか、トイレの時間が長いなとか。それも早期に発見できるカギになるかもしれません。
膀胱炎自体は重症化しない限り、服薬をすれば症状もおさまり、完治することができます。異変を感じたときは、我慢しないで病院を受診してください。
まとめ
高齢者の膀胱炎の症状と特徴について(後編)
高齢者の膀胱炎の特徴について
膀胱炎の治療や予防法について