聴神経腫瘍 とはどんな病気なのでしょうか?あなた自身や家族が聴神経腫瘍と診断されたらどうすればいいのでしょうか?
脳腫瘍であるため、現在の症状や治療の選択といった判断はとてもデリケートで、今後の人生を左右する決断となりかねません。病気のことをしっかりと理解したうえで、最善の判断ができるようにしましょう。
聴神経腫瘍ってどんな病気?その治療とは?
聴神経腫瘍ってどんな病気?
聴神経腫瘍は良性の脳腫瘍であり、聴神経の周りを覆っている鞘(さや)のようなシュワン細胞と呼ばれる部分から発生します。聴神経鞘腫や前庭神経鞘腫とも呼ばれています。原因については今のところはっきりとは解明されていません。
また、聴神経腫瘍は正確に言うと、聴神経ではなく前庭神経というバランスに関係する神経にできる腫瘍です。聴神経と前庭神経は一緒に脳から出ていますので、聴神経にも障害が及んでしまい、難聴が発生することが多いためにこう呼ばれるようになりました。
聴神経腫瘍の主な症状とは?
最も多い症状は耳鳴りと難聴で、片側にだけ発生することがほとんどです。難聴の他には、めまいや顔面のしびれ、嚥下障害などの症状が出るケースもあります。
これらの症状は神経が圧迫されることによって生じますので、腫瘍が大きくなっていくにしたがって症状も重くなっていくことが多いです。腫瘍はゆっくりと成長していくことが多く、難聴もゆっくりと進行して行くため、本人もなかなか気付かないことが多いようです。
聴神経腫瘍を見分けるためには?
聴神経腫瘍が疑われる症状がある場合には、造影剤を使用したMRI撮影を行います。また、聴神経以外の脳神経に異常がないかどうか確認するために脳波検査なども行います。
聴神経腫瘍の治療はどうするのが最善?
聴神経腫瘍は脳腫瘍ですので、治療といえば手術というイメージがあると思いますが、治療方法には大きく分けて、手術、放射線治療、何もせずに経過観察という3つの選択肢があります。
何もせずに経過観察が治療方法なのか?と疑問に思われるかもしれませんが、実は聴神経腫瘍は大きくならないことが多く、自然に小さくなってしまうことも1~3割程度ありますので、症状が軽度で腫瘍が小さい場合には、経過観察で何もしないというのが十分に選択肢として成立します。
また、傾向としては、若い人ほど腫瘍が成長する確立が高くなり、高齢の人では大きくならないことが多いようです。
正確な数字は不明ですが、数年間の経過観察で腫瘍が大きくなるケースはおよそ3分の1程度だと考えられています。
積極的に治療するケースとは?
聴神経腫瘍に対して積極的に治療をする必要があるケースについて考えてみましょう。腫瘍が成長して、難聴などの症状も進んでいる場合には積極的に治療をすることも必要になってきます。
また、腫瘍が4センチ程度になると危険だと考えられているため治療をするべきと判断されますが、腫瘍の内部が液状である場合にはそれほど危険ではないと言われています。
積極的に治療をするかどうかの判断基準は、命の危険と聴力を残せるかどうかという部分になってきます。
腫瘍が脳幹部を圧迫しているような場合には、命の危険がありますので積極的な治療を必要になってきます。
また、そのまま何もしないと聴力を失ってしまうと考えられる状況では、治療によって聴力を失ったり顔面神経麻痺を起こしてしまうリスクなどを考慮したうえで、どのような治療を選択するのか検討します。
どこで治療するべき?
では、治療をする必要があると判断した場合に、どこで治療をするべきでしょうか?脳神経の手術や放射線治療はとても難しく、豊富な経験が治療成績に大きく関係してきますので、聴神経腫瘍の治療をたくさん経験している、評判の良い医師のいる病院で治療を行うことをおすすめします。
少しのミスが、聴力を失ったり、一生残る顔面麻痺という不幸な結果を招いてしまう高度な治療になります。実際に治療を行うよりもっと前の段階から、信頼できる医師と医療機関を選択して診てもらうことが重要です。
まとめ
聴神経腫瘍ってどんな病気?その治療とは?
聴神経腫瘍ってどんな病気?
聴神経腫瘍の主な症状とは?
聴神経腫瘍を見分けるためには?
聴神経腫瘍の治療はどうするのが最善?
積極的に治療するケースとは?
どこで治療するべき?