従来、大腸がんの検査は検診・人間ドッグ等の医療機関にて受診するのが一般的でしたが、最近、自宅において大腸がんの検査ができる便利な検査キットが販売されるようになりました。
今回は、この 大腸がん の自宅用 検査キット について紹介します。
大腸がんの検査を自宅でできる検査キットが便利です
大腸がんの検査の種類
大腸がんの検査には大きく分けて「検診法」と「診断法」の二種類に分かれています。
「検診法」には直腸指診と便潜血検査(便ヘモグロビン検査)がありますが、検診・人間ドッグを受診した際に必ず受けるのは便潜血検査です。
二日法と呼ばれる検査法であり、二日間の便を採取して検査を行い便中のヘモグロビンの陰性・陽性の判断を行います。もし、陽性となった場合には、精密検査として「診断法」である注腸造影検査又は大腸内視鏡検査を受診し大腸がんであるどうかの確定診断を実施します。
最近、「検診法」である便鮮血検査を病院に行かなくても自宅で検査が可能な検査キットが販売されました。血便などの自覚症状が出にくい大腸がんの検査を自宅で簡単に受けることができることは早期発見の為にも非常に有効な手段となります。
ただし、この検査キットは大腸がんの確定診断の検査ではなく、あくまでスクリーニング検査(ふるい分け検査)ですので注意が必要です。
自宅用検査キットの内容
数種類の検査キットが販売されていますが、大腸がんのみに特定した検査キットと他のがんも含めて検査する検査キットに分かれています。
どちらの検査キットとも、大腸がんの検査としては「検診法」検査である便潜血検査を行う為の検査キットであり、二日間の便を採取して返送して検査をしてもらうことになります。
自宅用検査キットは電話・ネット等から注文することが可能で、2~3日後には検査キットが自宅に郵送され、便を特定の容器に入れて郵送用封筒に入れて返送します。結果は会社によって違いますが、2~3週間で郵送されますが、インターネットにて結果を見ることができる会社もあります。
最近は、定性結果だけではなく陽性の場合、便ヘモグロビンの濃度を数値で計測した測定結果を記載して返送される会社もあります。
検査キットの販売価格は3,000円から4,000円前後の価格帯で販売されています。
検査キットの検査結果の判断
送付された検査キットは最終的に登録衛生検査所にて検査されます。登録衛生検査所は法律によって信頼性、安全性を管理された中で検査を実施できる機関で、人間ドッグ又は病院から委託されている所がほとんどです。
しかし、前述したように返送された検査結果は、確定したものではありません。陽性という結果になった場合は、大腸がんの疑いがある医療機関に行って精密検査としての「検診法」の直腸指診と「診断法」を受ける必要があります。
しかし、陽性の結果であっても必ずしも大腸がんであるとは断定できませんし、潰瘍性胃腸炎などの炎症性腸疾患とか大腸ポリープなどの大腸壁からの出血によることが原因で陽性になる場合もあります。
また、陰性の結果の場合でも、見逃されて大腸がんになる場合もありますので、特に40歳以上の方は年1回定期的に検査を受けることをお勧めします。
検査キットを使用する上での注意点
検査キットを使用する上での注意点としては、まず送付された説明書をよく読んでください。特に、便の採取方法と保管方法は検査結果に影響しますので注意してください。生理中の便は採取しないこと、また、便の表面を満遍なくこすり取り、決して大量に取らないでください。
また。採便後の容器の保管方法ですが、10度以下の冷暗所又は冷蔵庫の中においてください。高温になると変性して正しい結果がでないので特に夏場に採便する場合と便秘ぎみの方で1回目と2回目の採便の間隔が空く場合には保管方法に気を付けてください。
2日分を取ったら速やかに返送することが大事です。
自覚症状の少ない大腸がんの早期発見の為に正しい検査結果を出すには適切な検査キットの使用と添付されている問診表への正しい記入が重要です。
まとめ
大腸がんの検査を自宅でできる検査キットが便利です
大腸がんの検査の種類
自宅用検査キットの内容
検査キットの検査結果の判断
検査キットを使用する上での注意点