大腸がんの末期とはどのような状態を言うのでしょうか。大腸がんはステージⅣになると肝臓や肺など他臓器への転移がみられるようになります。転移した先で局所手術により癌を完全に取りきれる場合は治る可能性があります。
しかし癌が散在していたり転移箇所が多く手術により切除することが不可能であるなど、多くの場合その治療は困難を極めます。そのような状態になり、なおかつ有効な治療法を見出せなくなったとき「末期」という表現が使われます。ここでは 大腸がん の 末期 について詳しく説明していきます。
大腸がんの末期について
ステージⅣでの治療の分岐点
大腸がんはステージⅣになると浸潤が漿膜を突き破り広がることによって肝臓や肺、腹膜などに転移します。血管を通り離れた所では脳にまで転移することもあります。幸いなことにその転移した場所が局所的で手術により全部取りきれるようでしたら完治するみこみがあります。
一方で転移した臓器が多数であったり、臓器に散らばっていて切除しきれないと判断され手術をしない場合も出てきます。このどちらかによって今後の治療方針が分かれます。
ステージⅣでの手術による治療
がん細胞の転移先がはっきりしていて状態も局所的で切除が可能と判断される場合は手術が有力な治療法になります。全部取ってしまい他への転移も見られないようでしたら治る可能性は大いにあります。
ステージⅣでの手術以外の治療法
転移があちこちにみられ、がん細胞の状態も散在しているようですと手術以外の治療法になります。その場合、抗がん剤や放射線による治療が行われます。また一部では血液の免疫力を強くして再び体内に戻すといった免疫療法も行われています。
ステージⅣから末期へ
手術後の状態が思わしくなかったり放射線や化学療法を行ったにもかかわらず、癌が進行してしまい、その時点で有効な治療手段が見出せなくなったとき末期と判断されます。末期から生還された患者さんもおられるようですが多くの場合、死期が近づいていることになります。
大腸がんの末期症状
大腸がんの末期には次のような症状があります。
食欲の減退
食べる気がおこらず水分がやっと摂れるような状態になります。顔つきも頬の肉が落ち患者特有なものになります。
むくみ、腹水、胸水、血圧の低下
水分調整が上手くいかなくなり手足がむくみます。腹部や胸部に大量の水が溜まりだし、抜いてもまたすぐに溜まるといったことを繰り返します。また血圧の低下で動くのも辛くなります。
腸閉塞
腸が癒着して蠕動することができず腸閉塞を起こしたりします。腸閉塞になると食事を摂ることができないため点滴での栄養補充が必要です。
痛み
癌が神経を圧迫するので強い痛みにおそわれます。
他にもいろいろと厄介な症状があり段々と精神的にも追い詰められていき、最終的には排尿不能、血圧低下そして呼吸困難と少しずつ死に近づいていきます。
余命宣告
癌の進行を抑える手段がなくなったとき、お医者さんから患者さんの家族に最終宣告ともいえる余命宣告があります。持って数ヶ月とか半年といった寿命の目安です。
残った人生の生き方
医師からの余命宣告を受けますと、それからの生き方をそれぞれ決めなければなりません。患者さん本人にそのことを告げるかどうかで悩まれる方もいらっしゃるでしょう。
ですが大事なことは本人に伝えない限りホスピスなどに入ることはできません。また患者さんが人生最後の過ごし方を選べないことになります。
その後も苦しい治療を続けるのか、痛みを取り除くことを目的とした投薬にきりかえ、余生をできるだけ安らかにおくれるよう努めるのか大きな違いが出てきます。呼吸器をつけるなどの延命治療をするのかどうかも決めておかれるほうが良いでしょう。
まとめ
大腸がんの末期について
ステージⅣでの治療の分岐点
ステージⅣでの手術による治療
ステージⅣでの手術以外の治療法
大腸がんの末期症状
余命宣告
残った人生の生き方