近年、大腸がんは日本人に多かった胃がんにかわり増加傾向にあります。将来的には男女ともに発生部位別死亡率でトップになると予想されています。大腸がんは早期に発見すれば他のがんに比べ治癒率が高いがんです。
今回は 大腸がん の 生存率 についてお話ししていきます。
知っておきたい大腸がんのステージ別生存率について
大腸がんとは
がんとは体の細胞の一部になんらかの異常が起こり、その細胞が周りの正常な細胞を破壊しながら無制限に増殖するできものです。がんは体のいろんな場所に出入りする性質を持っています。
大腸がんはその名の通り大腸にできたがんのことです。大腸がんは大腸の壁の内側の表面にある粘膜の細胞から発生して増殖していきます。がん細胞が増殖を繰り返し、大きくなることで大腸がんとして発見されます。
大腸がんのステージ別5年生存率
(がんの治療効果の目安として5年生存率という言葉がよく使われます。これは再発のほとんどが手術してから5年以内に発見され、それ以降の再発を起こす可能性が低いからです。
ステージ0の生存率
ステージ0の大腸がんでは、がんは粘膜の中にとどまっています。現在では内視鏡を用いてがんを切除する方法が可能です。ステージ0の大腸がんの5年生存率は約94%です。
ステージ Iの生存率
ステージⅠの大腸がんは大腸の内側の粘膜を超えて、筋肉部分までがん細胞が侵入している状態です。大腸の壁への侵入が浅いものに対しては、ステージ 0と同様に内視鏡でがんを切り取る治療を行います。
大腸の壁への侵入が深いものには、内視鏡の治療だけではがんを取りきれない場合や、リンパ節転移を起こしてしまう可能性も否定できないため、手術によって大腸のがんと、転移の可能性のある範囲のリンパ節を切り取ります。ステージⅠの大腸がんの5年生存率は約91%です。
ステージⅡの生存率
ステージⅡの大腸がんは、リンパ節にまで転移はしていないが、リンパ節付近まで大腸がんが侵入してきている状態です。すぐにリンパ節に転移する危険性もあります。
そのため手術で、がんをすべて取り除くことが治療の目的となります。場合によっては周囲のリンパ節まで切り取ることもあります。ステージⅡの大腸がんの5年生存率は約81%です。
ステージⅢaの生存率
ステージⅢの大腸がんは、がんがリンパ節に転移してしまった状態です。リンパ節はがんが進行する中で、まず最初に転移する場所と言われています。リンパ節にがんが転移していた場合には、ほかの臓器にも転移している可能性が疑われます。
ステージⅢの大腸がんは、転移しているリンパ節の数でステージが違います。リンパ節に転移している数が3ヶ所よりも少なければ、ステージⅢaと呼ばれます。
治療は大腸にあるがんと、リンパ節に転移しているがんを手術により取り除き、抗がん剤などを用いて、適切な治療を行えば完治することも可能です。ステージⅢaの5年生存率は約71%です。
ステージⅢbの生存率
リンパ節の4ヶ所以上にがんが転移している場合は、ステージⅢbと呼ばれます。この状態も、がんとリンパ節を取り除くのリンパ手術と治療を行いますが、ステージⅢaに比べ転移している可能性が低くはないため、5年生存率は約56%まで落ちてしまいます。
ステージⅣの生存率
ステージⅣの大腸がんは、大腸やリンパ節だけでなく、肝臓や肺などの大腸とは別の臓器にまで転移した状態です。
この状態まで進行してしまうと、完治は難しくなります。手術により大腸がんを切除できても、他の臓器に転移しているがんがあるためにさらに転移したがんも治療しなければなりません。
他に転移したがんをできる限り取り除き、術後に抗がん剤や放射線治療を行ったとしても、再発・再転移の可能性は非常に高くなります。ステージⅣの大腸がんの5年生存率は約13%と他のステージに比べ圧倒的に低くなります。
まとめ
知っておきたい大腸がんのステージ別生存率について
ステージ0の生存率
ステージ Iの生存率
ステージⅡの生存率
ステージⅢaの生存率
ステージⅢbの生存率
ステージⅣの生存率