大腸がん に罹患した人の 闘病記 を読むためには、大腸がんはどのようながんなのか、どのような種類があるのか、ステージって何、というような基礎的な知識がないとほとんど理解ができません。最低限必要な知識を得て、闘病生活の実態について学習してみましょう。
闘病記は多くの人が大腸がんの実態を知る貴重な情報源です(前編)
がんを経験しない人にはがん患者の気持ちはわからない
闘病記の記事は新聞や雑誌あるいはネット上で頻繁に見ることができます。数ある闘病記の中でがんに罹患した人の記事が最も多いです。がんはその種類も多く、胃がんや肺がんの人の率が高いですが、大腸がんも患者数では多い部類に入ります。
がんを経験しない人にはがん患者の気持ちはわからない、と一様にがんに罹患した人は言います。しかし闘病記は、がんの辛さや厳しさ、恐怖、寂しさなどを家族や友人と共有できる貴重な手段です。
さらにはお医者さんや看護師、医療関係者の人々に患者の苦しみ、希望、期待などについて知る情報源でもあります。
また、血便が出てびっくりした人は、すぐさまそれがどういうことなのか、まずはネットで情報を探し理解しようとします。がんを宣告された人は、よりどころとして闘病記をむさぼるように読みます。
これが闘病記の大きな役割です。
闘病記を読むための基礎知識―大腸がんの種類
まずは大腸の構造を見てみましょう。
- 小腸とつながる盲腸の上に上行結腸があります。
- 上行結腸から横に伸びる横行結腸があります。
- 横行結腸から下に下行結腸が伸びています。
- 下行結腸の次にS状結腸があります。
ここまでの部位、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸にできるがんを結腸がんといいます。
S状結腸の下に直腸があり、ここにがんができると直腸がんです。
この結腸がんと直腸がんを合わせて大腸がんといいます。結腸がんの中ではS状結腸がんが最も多く、直腸がんは大腸がんの中では全体の40%も占めています。
もう1つ大腸の構造で断面の部位を知らなくてはなりません。
大腸の内側の粘膜層の構造は、内側から粘膜―粘膜筋板―粘膜下層―固有筋層―漿膜下層―漿膜、という名前の層となっています。
大腸がんの発生は1番内側の粘膜に発生し、徐々に深く浸潤していきます。がんの浸潤が粘膜または粘膜筋板、粘膜下層までに留まっているがんを早期がんといいます。その粘膜下層の下の固有筋層からその先まで浸潤しているがんは進行がんといいます。
ここで大事なことは、固有筋層から下の部分には血管やリンパ管が多数存在していることです。つまりここまでがんが浸潤してくると、血液やリンパ液の流れにのって他の臓器や組織への転移がしやすく、悪性のがんになりやすいということです。
まとめ
闘病記は多くの人が大腸がんの実態を知る貴重な情報源です(前編)
がんを経験しない人にはがん患者の気持ちはわからない
闘病記を読むための基礎知識―大腸がんの種類