「闘病記は多くの人が大腸がんの実態を知る貴重な情報源です(前編)」では、闘病記を読むための大腸がんの基礎知識について説明いたしました。後編では、各ステージの説明やどのような 大腸がん の 闘病記 が存在するのかご説明いたします。
闘病記は多くの人が大腸がんの実態を知る貴重な情報源です(後編)
大腸がんのステージとは
大腸がんの闘病記に必ずでてくるステージというがんの進行度をあらわす言葉があります。上記の基礎知識があってようやくわかる内容です。
基本的には、がんの進行度、つまりがんの浸潤度の度合いは、壁深達度、リンパ節転移有り無し、遠隔転移(肝臓、や肺などへの転移有り無し)、によって決まります。
この組み合わせでステージは0、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲa、Ⅲb、Ⅳの6段階となっています。
ステージ0は、遠隔転移はなく、リンパ節転移もなく、がんが粘膜内に留まり、粘膜下層に及んでいないレベルです。
ステージⅠは、遠隔転移はなく、リンパ節転移もなく、がんが固有筋層に留まっているレベルです。
ステージⅡは、遠隔転移はなく、リンパ節転移もなく、がんが固有筋層を越えて浸潤し、漿膜表面に露出しているレベルです。
ステージⅢaは、遠隔転移はなく、中間リンパ節転移が3個以下で、がんが漿膜表面に露出あるいは直接他の臓器に浸潤しているレベルです。
ステージⅢbは、遠隔転移はなく、中間リンパ節転移が3個以上で、がんが漿膜表面に露出あるいは直接他の臓器に浸潤しているレベルです。
ステージⅣは、遠隔転移あり(肺や肝臓への転移)でリンパ節も転移し、がんが漿膜表面に露出しているか、他の臓器に浸潤しているレベルです。
大腸がんの闘病記はほとんどステージⅢb又はステージⅣです
闘病記を書く人はほとんどステージⅢbかステージⅣです。ステージ0やステージⅠのレベルの早期がんの人の記事はあまりありません。つまりがんが他の臓器に転移した人の話がほとんどです。
大腸がん闘病記
入院して闘病生活している人の記事には専門的な医学用語や見たことがない薬の名前等が頻繁にでてきます。そうした面ではがんに罹患してない人にとってはかなり読みにくい記事になっています。少なくとも上記のような基礎知識があればある程度はがんの深刻度が理解できます。
大腸がんのステージⅣの人達の闘病の記録は、まず真っ先にがんに罹患した無念さが伝わってきます。がんを宣告された時の驚きや家族の狼狽は実に痛々しい感じがします。
さらに検査がすすんで余命何年と医師から伝えられた患者は、その人生観の劇的な転換が言葉を通じて生々しく伝わってきます。ステージⅣの5年生存率は18.8%と言われています。この数字は極めて残酷な数字で80%の患者が5年以内に亡くなることを意味しています。
ステージⅣで遠隔転移である肺や肝臓に転移し、悪性の大腸がんに罹患した人達は、現代医学の最先端の治療を受けてもなおかつ厳しい現実から逃れられません。
闘病記の中には病院内の闘病の模様、点滴のこと、薬のこと、お医者さんや看護師の人達との会話の内容や同室の患者との会話のやりとり、また病歴の詳細などが書かれています。
これら多くの大腸がん闘病記は、他のがん患者に重要で有益な情報を提供することになり、がんを宣告された人にとっては、迷い込んだ山中のコンパスのような存在でもあります。
まとめ
闘病記は多くの人が大腸がんの実態を知る貴重な情報源です(後編)
がんを経験しない人にはがん患者の気持ちはわからない
闘病記を読むための基礎知識―大腸がんの種類
大腸がんのステージとは
大腸がんの闘病記はほとんどステージⅢb又はステージⅣです
大腸がん闘病記