「気になる痛み!鈍痛は体の中の異変サイン!?(前編)」では、鈍痛とはどのような痛みなのか、また頭やみぞおちあたりの痛みにはどのような疾患があるのかご紹介いたしました。
後編では、背部におきる 鈍痛 についてご紹介いたします。
気になる痛み!鈍痛は体の中の異変サイン!?(後編)
腹部②下腹部の鈍痛とは
下腹部には、誰もが小腸・大腸・膀胱(腎臓)などの臓器があり、引き起こされる鈍痛ではストレスなどによる便通異常などがあげられます。他に特徴的な鈍痛を引き起こす臓器に男性は前立腺、女性は子宮があります。
男性の場合は、慢性の前立腺炎や前立腺がんによって鈍痛が引き起こされる可能性があります。男性の半数が経験すると言われている前立腺炎は、急性の場合は高熱などの激しい症状が特徴ですが、慢性の場合は下腹部の鈍痛や違和感が特徴的な症状です。
高齢者に多い前立腺肥大症は、排尿障害の症状を呈し残尿感はあるものの下腹部の鈍痛はありません。前立腺がんにおいては、下腹部の鈍痛や違和感が出現や排尿障害を伴います。肉眼で見ることのできない部分ですので、鈍痛や違和感がある場合には精査をおすすめします。
女性は、閉経する前までであれば、月経時における下腹部痛を感じる方が多くいます。ホルモンの増減や加齢などによって婦人科疾患もいろいろと起きやすくなってきます。
高齢者の場合は、委縮性膣炎や子宮頸・体がんのリスクが増大します。子宮や膣が委縮するときに下腹部の鈍痛を感じることがあります。
ほかにも、分泌物に血液や膿様や悪臭などの変化が見られます。女性は、閉経後も婦人科での定期的なフォローが必要です。
背部に起こる鈍痛とは
背部の痛みは、単に筋肉痛などで結論付けられない場合があります。肩甲骨の中央などが鈍痛を感じた場合、心臓疾患や膵臓疾患だったということもあります。腎臓疾患の尿路結石など左背部~腰にかけての鈍痛が、吐き気を伴い激しい痛みに変化することもあります。
肝臓・腎臓疾患で右腰に鈍痛を感じることもあります。腰部全体に鈍痛があり、精査したら椎間板ヘルニアが発見されることも事実あります。
この症状が出たから絶対にこの疾患であるという根拠は、患者自身には知り得ようがありません。不安な方や心当たりがない鈍痛が続く場合には、早めの受診・検査をおすすめします。
鈍痛は臓器からの危険サインかも
鈍痛は臓器からの痛みのサインです。年齢を重ね酷使した体は、誰もが鈍痛や違和感を体に覚えています。徐々に病気になりやすくなってきます。つい痛みが我慢できる範囲だと病院での検査が遠退きがちです。
体があってこそ、自由で健康な暮らしが望めるのですから気になる鈍痛を感じておられる方は、一度精査されることをおすすめします。何科が良いかわからない方も、まずはかかりつけ医で相談されるといいでしょう。
まとめ
気になる痛み!鈍痛は体の中の異変サイン!?(後編)
腹部②下腹部の鈍痛とは
背部に起こる鈍痛とは
鈍痛は臓器からの危険サインかも