普段は意識することはありませんが、心臓がドキドキしたり、一緒に呼吸も苦しくなるような不快な心臓の拍動を感じることがあります。このような状態を動悸といいます。理由があれば心配はいりませんが、実は注意が必要な動悸もあるのです。
今回は、 動悸とは 、高齢者にみられる症状と疑われる病気についてご説明いたします。
動悸とは、高齢者にみられる症状と疑われる病気について(前編)
動悸とは、どのような症状か
心臓というのは、1分間に60~80前後の脈をうちます。階段を上ったり、急いで小走りをすると脈拍数が80以上になり心臓がドキドキとします。正常であれば、2~3分安静にしていれば心拍は元にもどります。びっくりしたときにドキドキするのも動悸といいます。
動悸というのは日常生活においてはあらゆる場面でみなさま経験されていることではあります。ご高齢になれば若い頃よりも動悸を感じるようになったと思われている方も多くいらっしゃいます。
動悸の全てが病気ではありませんが、見逃せない動悸があるということも知って頂きたいと思います。
高齢者にみられる症状と注意点
動悸がしても安静にすれば落ち着いてくれば問題はありません。しかし、突然起こる動悸、1分間に100以上の脈拍は不整脈であることが多いので、くわしい検査をする必要があります。
高齢になると徐々に心臓の機能が衰えてしまい、不整脈の症状にも体がなれてしまうこともあり、なかなか自覚症状を感じにくくなっていることも多く、気がついたときには重篤な不整脈が出ていたということがあります。
少し様子がおかしい時は、早めの受診と検査をお勧めします。
息切れや動悸、むくみなどが同時に起こる場合もあります。最初のうちは、階段や坂道を登ったときに息切れがする程度ですが、症状が進んでいくと、安静にしていても息苦しさを感じるようになります。
動悸や息切れは実は呼吸器の病気や心臓の病気が隠れている場合があります。年のせいだからと放置して、だれでも感じているとか運動不足だからとかという勝手な思い込みで病院を受診されない方も少なくありません。
放置すると症状は徐々に悪化し、呼吸困難などを起こす場合もありますので、とても注意が必要であり症状に敏感になっていただきたいものです。
また、心臓の加齢変化として正常な心臓にも年齢とともにさまざまな変化が起こります。ご高齢になると一般的には全身の動脈硬化が進んでいることが多く、それにともない血圧が上昇してしまいます。
心臓は高い血圧にうちかつように全身に血液を送らなければならないために心肥大になります。心臓の壁が厚くなり心臓が大きくなるものです。またそれに付随して心臓の拡張機能が低下し肺や下肢に血液がながれにくくなりうっ血性心不全を起こしやすくなります。
心臓の弁がかたく開きにくくなると弁機能不全も多くみられるようになります。このように加齢による変化をうけた心臓をもつ高齢者はさまざまな病気にかかる危険性が高くなるのです。特徴的な症状は若い人より目立たないという特徴もあります。
食欲の低下、意識障害など心臓に関係のない症状を訴えることもあります。動悸や息切れがするから、この病気であるという特定ができない場合もしばしばあるということです。
まとめ
動悸とは、高齢者にみられる症状と疑われる病気について(前編)
動悸とは、どのような症状か
高齢者にみられる症状と注意点