動脈硬化は字のとおり血管が硬くなる病気です。もとは弾力性があるしなやかな血管が、分厚く固くなることで、血管が詰まりやすくなったり、血栓ができやすくなります。この動脈硬化が起こりやすい状態かどうかを指数で知ることができます。
健康で長生きをめざして 動脈硬化 指数 を自分で把握して予防に役立てましょう。
動脈硬化指数を把握して予防に役立てましょう
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動脈硬化指数とはなんでしょう?
動脈硬化指数(AI)は、総コレステロール値からHDLコレステロール値を引き、この出た値をHDLコレステロール値で割った数値を指します。
動脈硬化指数=(総コレステロール-HDLコレステロール)÷HDLコレステロールという式になります。
この計算式で求められた数値を動脈硬化指数といい、動脈硬化の起こりやすさを判定する基準値となります。
病院で血液検査を受けると検査結果の表を受け取ると思います。その中で「脂質」という小項目の中に記載されてある数値に注目してください。総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の欄に分かれており、それぞれの値が記入されています。
HDLコレステロールはいわゆる善玉コレステロール、LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれているものです。これらの値を上の式にあてはめて計算してみてください。この計算値があなたの動脈硬化指数となります。
動脈硬化指数はいくらだったら危険?
動脈硬化指数は指数の値が大きければ大きいほど動脈硬化を起こしやすいと判断できます。逆に小さければ小さいほど動脈硬化になりにくいということです。動脈硬化指数の判定基準は以下のとおりです。
- 動脈硬化指数が3.0未満なら良好
- 3.0以上5.0未満なら注意が必要(信号なら黄信号)
- 5.0以上なら危険
しかし、この指数だけではなく、さまざまな面から総合的に判断する必要があるので、あくまでも目安と考えてください。
動脈硬化指数の新たな基準 LH基準値をご存知ですか
近年、動脈硬化の新しいガイドラインが出来て、総コレステロール値(TC)が使用されなくなっています。そこで、LH基準値という新しい数式が使用されるようになりました。
LH値=LDLコレステロール÷HDLコレステロール
つまり悪玉コレステロール÷善玉コレステロールという計算式です。
これは、脂質異常をLDL(悪玉)とHDL(善玉)のバランスで把握する必要があることから設定された新たな数式です。
LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロールともに単独では正常値の範囲内でも動脈硬化になりやすい場合もあります。
特に糖尿病などの病気やメタボリックシンドロームがある場合、LDL(悪玉)の値が高くならないことがあるためです。LDL(悪玉)とHDL(善玉)のバランスが悪いと動脈硬化が進行したり、プラークとよばれる血栓ができやすくなるので、このLH比を把握することが重要です。
LH基準値の安心できる数値はいくつ?
LH比が高いほど動脈硬化が進行していることを表しています。また、それが引き起こす心筋梗塞、心不全などのリスクも高くなっていきます。LH基準値(LH比)は2.0以上で動脈硬化になりやすいと言われています。発症を予防するなら2.0以下を基準にしてください。
ただし、すでに動脈の疾患(高血圧、心筋梗塞、糖尿病など)をお持ちの方は、この値は1.5以下が望ましいとされています。
セルフコントロールのためにも自分で状態を把握しましょう
動脈硬化を予防するためには、まずは自分の状態を知ることが大切です。生活習慣を改善することで防げることもたくさんあります。数値化し、それを自覚することで取り組む意欲も出てきます。
LH比が高い方は、まずは2.0以下の数値をめざして、少し心がけて食事をする、適度な運動をするなど、できることから健康なからだ作りをはじめましょう。動脈硬化指数を利用して健康長生きをめざしませんか。
まとめ
動脈硬化指数を把握して予防に役立てましょう
動脈硬化指数とはなんでしょう?
動脈硬化指数はいくらだったら危険?
動脈硬化指数の新たな基準 LH基準値をご存知ですか
LH基準値の安心できる数値はいくつ?
セルフコントロールのためにも自分で状態を把握しましょう