副鼻腔炎 になると、まずは、服薬、噴霧・吸入をする、洗浄をするなどの保存治療を受けます。それでもなおらないときは 手術 が必要になる場合があります。
昔に比べると手術方法は格段に進歩しています。状態によっては日帰りも可能になった現在の手術方法についてまとめました。
内視鏡でOK?副鼻腔炎の手術について知りましょう
副鼻腔炎とはどんな病気でしょう?
副鼻腔炎は頭部(頬、顔、目や鼻のまわりなど)にある副鼻腔と呼ばれる骨で囲まれた空洞内で炎症が起きる病気です。この炎症が長引き、慢性的になると蓄膿症と呼ばれる慢性副鼻腔炎になります。
症状としては鼻水(粘度のある黄色の鼻水)、鼻づまり、頭痛などが一般的です。命にかかわる病気ではありませんが、口呼吸を繰り返すことから起こる全身疾患を引き起こす可能性もあり、早めの治療が望ましいでしょう。
副鼻腔炎になるとどんな治療をするのでしょう
風邪を引いて、鼻水・鼻づまりといった鼻症状が2週間以上も続いたら、副鼻腔炎を起こしている可能性があります。早めに耳鼻科を受診しましょう。レントゲンや内視鏡で検査を受ければ、副鼻腔炎かどうかはすぐにわかります。
副鼻腔に膿が溜まると、その部分が白く写るからです。診断がおりれば、治療が始まります。マクロライド療法と呼ばれる抗生物質の服薬が一般的です。鼻水をおさえたり、炎症を起こしにくくする作用があります。
また細菌を殺すだけでなく鼻の中の自浄作用を高める効果もあるからです。少量づつを長期(数か月~半年)にわたって服薬することで、治癒が期待できます。
またネブライザーという機械を使用し、薬液を細かい霧状にして鼻や口から噴霧・吸入を行います。副鼻腔に溜まった膿を吸引して清掃し、生理食塩水を使って溜まった膿を吸い出す洗浄(排膿治療)なども行われます。
どんな状態だと手術をすすめられるのでしょうか?
- 慢性副鼻腔炎が悪化しており、薬物治療では、あまり改善がない場合
- 慢性副鼻腔炎を繰り返し再発する場合
- 鼻茸(ポリープ)ができている場合
- 高度の鼻中隔湾曲症がある場合(鼻の中を左右にわけている鼻中隔が曲がっている)
- 好酸球性副鼻腔炎の場合(薬がききにくい難治性副鼻腔炎)
などといった場合が手術的治療の対象になりやすく、手術をすすめられる状態です。
顔にメスを入れて頬骨を削るなどといった大がかりで痛い手術が主流だった昔と違い、現在では医療の進歩により、体への負担が少ない内視鏡手術が主体となっており、患者が受けるダメージは身体的にも経済的にも軽くなっています。
手術はどんな方法が主流でしょうか
内視鏡下副鼻腔手術(ESS)
ESSは、現在もっとも多く行われている手術方法です。麻酔をかけた上で、鼻の穴から内視鏡を入れて、モニターで確認をしながら、病巣粘膜やポリープを取り除く方法です。
また膿や出血、分泌物、ポリープなどを吸引しながら削り取ることができる手術機器も開発されたことにより、さらに手術時間が短縮され、患者への身体的・時間的負担は大幅に軽くなっています。
従来の手術方式だと鼻の左右両側を手術すると2~3週間の入院が必要でした。また、術後の痛みも強く出血も多くみられ大変でしたがESSだと軽い場合なら日帰りも可能になっています。平均入院日数は2、3日~1週間程度と短くなっています。
内視鏡下鼻内整復術
副鼻腔炎悪化の要因のひとつとして、鼻中隔・中甲介・下甲介という薄い骨や軟骨でできた鼻の中の構造物が鼻のとおりを邪魔して鼻づまりを引き起こしていることがあります。これらの場合も内視鏡で手術をすることが可能です。
骨構造を改善するために切開し、不要部分を切除したあと縫合する手術となります。
外科手術
顔にメスを入れて切開し、骨を削り、鼻腔内の膿や病巣粘膜を取り除く従来どおりの方法です。手術する副鼻腔の位置により、上歯茎・額(眉の周辺)・鼻の根元を切開することになります。
患者への身体的ダメージも大きく、時間・費用も大きくなりますが、重症の副鼻腔炎にも効果が見られ、手術時の視野が確保されているため、他の病気を併発しているときには発見しやすいというメリットがあります。
医学は日々進歩しています。手術の方法もどんどん負担軽減ができる方向に向かっています。副鼻腔炎が疑われるなら、早めに耳鼻科を受診して、医師に相談することが大切です。
まとめ
内視鏡でOK?副鼻腔炎の手術について知りましょう
副鼻腔炎とはどんな病気でしょう?
副鼻腔炎になるとどんな治療をするのでしょう
どんな状態だと手術をすすめられるのでしょうか?
手術はどんな方法が主流でしょうか