耳の穴の鼓膜までの部分を外耳といいます。かゆい時は指を入れたり、耳垢をとるために耳かきをします。なにげなくする行為ですが、場合によっては外耳を傷つけてしまい外耳炎になることもあります。
今回は 外耳炎 になったときの 治し方 を例をあげながらご説明します。
外耳炎のタイプ別症状と治し方について
外耳炎の原因は頻繁な耳かきの場合が多い
直接的に外耳を傷つけてしまう原因として多いのは耳かきです。耳垢は皮膚やごみ、毛などが固まって作られます。
ご存知の方は少ないようですが、耳垢はものを噛んだりしてあごを動かしていると自然と手前側に移動して外へ落ちるようになっているのです。したがって、耳かきは頻繁にする必要はないのです。
しかし、耳に違和感を感じやすい方は、ほぼ毎日耳かきをすることもあります。半分クセになっているようです。
耳かきをする場合は外耳を傷つけないように注意しながらおこなってください。傷口から細菌が入ると外耳炎になる場合があります。
他にも、爪で傷をつけてしまう場合があります。プールやお風呂のときに水が入ると状況によっては外耳炎になる可能性があります。ヘアスプレーや整髪料などの刺激物は時に炎症の原因にもなりますので注意が必要です。
タイプが異なる外耳炎の症状について
外耳炎といっても症状がそれぞれ違います。タイプ別に症状をご説明します。
急性限局性外耳炎(耳せつ)
耳垢や皮脂の出るところから細菌感染して、うみのかたまりが耳の入り口あたりにできます。痛みは激しくて頭痛や歯痛のように感じることがあります。症状が悪化すると、腫れて外耳道の内側が閉じてものが聞こえにくくなります。
外耳道湿疹
耳掃除の刺激で外耳道の皮膚に湿疹ができます。強いかゆみがおこり、しだいに耳たぶや外耳道の入り口が赤く腫れます。びらんや耳だれがおこり、放置しておくと皮膚の角質がフケのようにぽろぽろ落ちてきます。
びまん性外耳炎
外耳道の奥の方にまで炎症がおこります。急性限局性外耳炎や外耳道湿疹、中耳炎によって出る膿などの液体が耳から流れ出た後に発症する場合が多くあります。
外耳道は腫れあがり、灼けるような痛みを感じます。発熱やリンパ節の腫れがみられ、悪化すると脳神経まで影響を及ぼす可能性があります。
外耳道真菌症
傷ついた外耳道に真菌が感染しておこります。激しい痛みと耳だれ、耳が詰まった感じがします。難聴の原因となる可能性もあるので注意が必要です。
悪性外耳道炎
感染症が頭蓋骨まで及んだ状態です。糖尿病やがんなど免疫力が低下する疾患の方がなりやすい外耳炎です。糖尿病で高齢者の方が罹患すると骨膜炎や髄膜炎などを併発してしまう場合もありとても危険です。
外耳炎の治療法について
耳の鈍痛や痛みが3日以上たっても治まらないようであれば、耳鼻科を受診することをお勧めします。
耳鼻科での処置は吸引器と脱脂綿などで分泌物である耳だれを除去します。音が聞きとりづらくなっている場合は、耳だれを吸引してもらうだけでも聴力が回復する場合があります。その後消毒をして抗生剤、副腎資質ステロイドなど軟膏を塗ります。
念のため、抗生剤の飲み薬が処方されます。急性限局性外耳炎はこの処置でほとんどは治癒します。
びまん性のものや真菌性の外耳炎では、膿が溜まる場合が多いので切開して膿をだします。皮膚を切開して膿をだし、抗生物質の軟膏処置を施します。切開のときに麻酔を使うことはほとんどありません。切開後は痛みもあるため、鎮痛剤が処方されることが多いです。
市販薬で治したいという方もいらっしゃいます。もちろん薬局などには外耳炎用の点耳薬や内服薬が売られています。
しかし、間違った抗菌剤やステロイド剤の使用により外耳道真菌症の原因にもなりかねないため、できるだけ市販薬での対応ではなく耳鼻科受診をお勧めします。
外耳炎にならないようにするために気を付けること
耳かきはやりすぎないようにします。かゆいところを何度も掻いたりこすったりすると傷ができ、細菌がついて炎症の原因になります。
頻繁にプールを利用する方は、耳に水が入り細菌がついて症状を繰り返す場合がありますので注意が必要です。
高齢の方で補聴器を使用されている方や、若い方は携帯の音楽をイヤホンで聞いたりしている方が多くいます。このような補聴器やイヤホンにも細菌がついていたりすると外耳炎の原因にもなりかねないため、時に消毒をしたりして清潔に使用するよう心がけると安心です。
外耳炎はかゆみと痛みが特徴です。いやなにおいのする白や黄色の分泌物がでる場合もあります。症状によっては自然治癒する場合もありますが、耳鼻科を受診しておけば安心です。
耳かきは適度にし、なるべく耳に傷を作らないよう気を付けることが大切です。補聴器やイヤホンは清潔にして、大切な耳を守りましょう。
まとめ
外耳炎のタイプ別症状と治し方について
外耳炎の原因は頻繁な耳かきの場合が多い
タイプが異なる外耳炎の症状について
外耳炎の治療法について
外耳炎にならないようにするために気を付けること