「高齢者にも増加中!ガス型の過敏性腸症候群とは(前編)」とは、ガス型の過敏性腸症候群の主な原因についてご説明いたしました。後編では、 ガス型 の 過敏性腸症候群 への対策とはどのようなものがあるのかご説明いたします。
高齢者にも増加中!ガス型の過敏性腸症候群とは(後編)
自分でできる、ガス型の過敏性腸症候群への対策とは
まずは腸内環境をよくすることが先決です。近年は食事の欧米化が進み高齢者の方も肉食が中心になっていることが多いですが、ガス型の過敏性腸症候群の方によい食物は肉より魚であり、昔ながらの和食中心の食生活にするのが望ましいのです。
ただし大根やキャベツなどはおならの臭いを強くしてしまい、豆類や芋類はおならの量を増やしてしまいます。かと言ってそれらを全く食べないのも栄養バランスが乱れてしまいますので、適度な摂取をこころがけましょう。
食べる食物の種類よりも食べ方に問題があることも多いです。最も注意したいのは早食いです。上記の通り早食いの方は空気嚥下症が酷くなりやすいですし、食物をよく噛まないと消化不良を引きおこし、ますます腸内環境を悪化させてしまいます。
さらに食事はきちんと時間を決めて規則正しく食べるのが腸内環境にも良好であるという研究結果があります。不規則な生活でバラバラな時間に食事を取ったり、真夜中に暴飲暴食するなどの行為は避けましょう。
なかなか治らない時はストレス状況の確認を
以上のような原因を取り去ったり食事を改善したりと試みても、なかなかガス型の過敏性腸症候群が治らない方もいます。この場合はストレスが大きな原因になっていることが多いです。
ストレスがかかっている時には唾液を飲む回数が多くなりますし、腸は第二の脳と言われるほどにストレスの影響を強く受ける器官です。
ストレスの原因がはっきりわかっていて、しかも取り除けるものであれば問題はないのですが、近年はストレス要因も複雑になり、簡単に解消することが難しくなっています。高齢者の方であれば自身の身体の衰えや愛する人との死別など、なかなか振り切れない問題も多いでしょう。
そのような深い悩みをお持ちの場合は、心理カウンセリングを受けてみるのもひとつの方法です。軽い精神安定剤を処方してもらうのもよいでしょう。
そのような薬は癖になってしまうのではないかと、特に高齢者の方では誤解をされている方も多いですが、近年の精神安定剤は改良が進められ、気軽に飲めるものへと変化しています。偏見を持たずに試してみるとよい結果が得られることも多いです。
それほど重いストレスでない場合や、カウンセリングや薬と併用する手段として、軽い運動もおすすめします。特にストレス解消にはウォーキングが適しています。
ウォーキングは有酸素運動であり、ストレスを解消するだけではなく自律神経のバランスも整えてくれるため腸の活動が活発になります。弱っていたぜん動運動を改善する手助けをしてくれるでしょう。
過敏性腸症候群=ストレスに弱い、ではない
ストレスが原因で腸の調子が悪くなっていると言うと、自分は弱い人間なのではないかと思い、その状態を認めたくないという方もいらっしゃいます。高齢になるまでがんばってこられた方であればなおさらでしょう。
しかし実はその逆で、心の強い方ほどストレスを我慢してしまい、身体に影響が出るまで放置してしまうことが多いものです。ほんの少し考え方を変えて、こんなになるほど自分はがんばってきたんだ、という感じ方ができれば病気への認識も変わるはずです。
長い人生いろいろなことがある、と考えてあまり思いつめないことがガス型の過敏性腸症候群を治していくコツなのです。
まとめ
高齢者にも増加中!ガス型の過敏性腸症候群とは(後編)
自分でできる、ガス型の過敏性腸症候群への対策とは
なかなか治らない時はストレス状況の確認を
過敏性腸症候群=ストレスに弱い、ではない