過敏性腸症候群は主に働き盛りの20代から40代に多く発症すると言われてきましたが、近年の食生活の変化やストレス要因の増加などにより高齢者にも増えてきている疾患です。
今回は特にストレスが強く影響する、 ガス型 の 過敏性腸症候群 にスポットを当てて解説いたします。
高齢者にも増加中!ガス型の過敏性腸症候群とは(前編)
ひそかな悩み・おならが止まらない!
過敏性腸症候群にはいくつかのタイプがあります。下痢型・便秘型・この2種の混合型と続き、さらに独立して存在するのがガス型となります。ガスとはつまりおならのことです。
ガス型の過敏性腸症候群では、お腹がガスでパンパンに張ってしまい苦しい思いをするほか、ガスが腸内を移動する時の痛みや音、また人の集まる場所などおならをしてはいけない場所でも頻繁におならがしたくなり困るといった症状にみまわれます。
常におならを我慢しなければならないために自然と外出を避けるようにもなりますし、おならが少しずつもれて周りににおっているのではないかという不安感や、恥ずかしいと思い誰にも相談できずに悩みを抱え込んでしまうなどしてストレスがたまり、そのストレスがますます過敏性腸症候群を悪化させる、という悪循環に陥ってしまいやすいです。
特に女性の場合深く悩みすぎてしまい、うつ病まで発症することもありますから、おならと言えど決して侮れないのです。
ガス型の過敏性腸症候群の主な原因とは
ガス型の過敏性腸症候群の原因はさまざまです。まずは食生活の問題により腸内環境が悪化して頻繁にガスがたまるようになることです。これは腸の中で発酵しやすい食品の多量摂取などでおこります。
高齢者の方は特に腸のぜん動運動が弱ってくるため、若い頃と同じように食べていても食物が腸内に長く残り、ガスが発生しやすくなる傾向があります。
もうひとつの大きな原因が、空気嚥下症や呑気症と呼ばれる、無意識の内に空気を多く飲み込んでしまう症状によるものです。
この症状をお持ちの方は食事中、あるいは唾液を飲み込む動作だけでも、普通より多くの空気を取り入れてしまいます。取り入れた空気はげっぷとして排出されるか、腸管まで進みおならとなるかのどちらかになります。
空気嚥下症は早食いをしてしまってもおこりやすいですし、ガムを噛むなどの行為でも引きおこされます。
他には炭酸飲料、コーラのようなジュースやビールなどを沢山飲むと当然、体内に空気を多く取り込むことになります。ガス型の過敏性腸症候群でお悩みの方は、これらを避けた方がよいでしょう。
まとめ
高齢者にも増加中!ガス型の過敏性腸症候群とは(前編)
ひそかな悩み・おならが止まらない!
ガス型の過敏性腸症候群の主な原因とは