気がつくとできていることの多い口内炎。歯茎にもできますね。ほとんどは放っておいてもいつの間にか治るものですが、まれに危険なタイプのものがあります。
今回は、 歯茎 にできる可能性のある 口内炎 を、緊急の対応が必要な順から詳しくまとめて行きます。
歯茎にできたら要注意!危険な口内炎のみわけ方(前編)
もっとも怖い!急性壊死性潰瘍性歯肉炎
口内炎だと思って放っておくと一番危ないのが、この急性壊死性潰瘍性歯肉炎です。これをみわけるためには、何と言っても腫れている部分の色を見てください。
口内炎は一般的に赤く腫れ、中心にポツンと白い部分があるかないか、といった形状をしていると思われますが、こちらは歯と歯の間の歯肉の部分に「灰色の」偽膜で覆われた潰瘍ができるのが特徴です。
この灰色の偽膜は簡単にはがれ、潰瘍部分が露出してしまいます。そうなると歯磨きはおろか、食事をとることさえ困難になってしまいます。
数日で自然に治る場合もありますが、壊死した部分は復活しませんし、さらにひどいと扁桃腺など歯の周辺組織にまで病変が広がってしまい発熱などが起こる可能性もあります。そもそも激痛にまず耐えられない状態だと思われますので、この病気だと判明したらすぐに歯医者に行きましょう。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎の起こる原因ははっきりとはしていませんが、ストレスや栄養不足、他の病気などで全身の免疫力が低下している場合に口内を不潔な状態にしておくと起こりやすいようです。これは他の口内炎やさまざまな病気とも共通していますので日頃から気をつけましょう。
ニキビのような形状、内歯瘻(フィステル)
次に気をつけたいのが、内歯瘻(フィステル)と呼ばれる病変です。こちらも口内炎かと思われる部分をよくみてみると、ニキビのように先端にプチンと小さな穴があいていることがわかります。
これは歯の周りに膿がたまってしまう症状になった時に、その膿の出口として歯茎の中に管のような通り道ができてしまった状態です。
歯の周りに膿がたまる症状の原因は、主に根尖性歯周炎・歯周病・歯の破折によるものです。根尖性歯周炎は、虫歯を進行させて神経や血管を含む歯髄という部分までおよばせてしまった結果、歯髄が死んでしまい膿を形成します。
歯周病では歯と歯茎の隙間である歯周ポケットが深くなると、内部での細菌感染を起こして膿が出てきます。歯が破砕したり折れたりした場合には、その歯が歯茎部分を傷つけている恐れが十分にあります。その結果こちらも膿がたまり、行き場をなくして自ら穴をあけて出てくるのです。
内歯瘻(フィステル)の予防は、やはり歯を健康に保つことにつきます。虫歯ができないようにするのももちろんですが、できてしまったら潔く歯医者にかかった方がよいでしょう。歯周病も同じです。
また歯が折れたり傷がついたという場合にも、何もないように見えても一度は歯医者にみてもらう方が安心できます。
まとめ
歯茎にできたら要注意!危険な口内炎のみわけ方(前編)
もっとも怖い!急性壊死性潰瘍性歯肉炎
ニキビのような形状、内歯瘻(フィステル)