肺炎は早期発見と適切な治療を受ける事で完治する病気です。しかし、肺炎が死亡原因の上位に挙げられているのも事実です。「完治する病気だから大丈夫」と侮らずに、 肺炎 の 原因 を知り防ぐのが得策です。
肺炎の原因を知って予防する
肺炎とは
肺炎と言うのは病原微生物が肺で繁殖し、炎症が起こった状態の事を指します。症状としては、目安として38度以上の発熱で咳が出ます。呼吸困難とまではいかなくても、息苦しさを伴う場合もあり、炎症が胸膜にまで及んだ時は痛みもあります。
ただの感冒でも同じ症状が出ますが、一週間以上続く場合は肺炎を疑いましょう。肺炎か否かの診断の確定は胸部レントゲン検査をする事で可能です。
また採血或いは痰の採取を行い、数値を検査する事で原因となっている病原微生物を特定する事が出来ます。原因菌を解明する事により、それぞれの型に合った抗生剤等の治療を受けて、肺で繁殖した病原菌の根絶を目指す事になります。
誤嚥性肺炎
飲み込む動作の事を「嚥下する」といいますが、人は食べ物や飲み物を嚥下した際、通常であれば喉から食道を通り、胃に到達します。
しかし加齢等、何らかの原因で嚥下する力が機能的に衰えている、若しくは上を向いている事で顎が上向きになり、気道が開いている等の嚥下には不適切な姿勢で嚥下した場合は、食道を通らずに気管の方を通り肺に入ってしまう事があります。これを「誤嚥」と言います。
飲食物や口腔内の細菌を誤嚥した事により、肺で細菌が繁殖し炎症が起こった状態の事を誤嚥性肺炎と言います。食べ物を経口摂取せずに、胃瘻している場合でも口腔内の細菌を誤嚥する事により、発症するので、口腔内を清潔に保つことは、このタイプの肺炎を予防する上で非常に重要です。
歯がなくてもデンタルリンス等で口腔内を漱ぐ事で予防しましょう。障害等で本人が出来ない場合は、周囲の人がガーゼをデンタルリンスで湿らせて口腔内を清拭する等して予防してあげて下さい。
義歯を使用している場合も食後に綺麗に汚れを落とすようにしましょう。義歯の汚れを落とす時は、歯磨き粉を使用しないで下さい。歯磨き粉には研磨剤が含まれているものが多く、研磨剤入りの歯磨き粉を付けて義歯を磨くとコーティングに傷が入ります。
この傷が細菌の繁殖する温床となり、細菌を誤嚥しないように行う義歯の手入れが、逆に誤嚥のリスクを高めてしまうという皮肉な状態になってしまいます。
刻んでいるものといないものや、トロミを加えた水分と加えていない水分というような、異なる形態の飲食物を嚥下した時も誤嚥のリスクが上がる為食事中の様子に注意を払って観察し、咽込みや口腔内での溜め込みがないか見守ります。
義歯の場合は自歯に比べ咀嚼力が6、7割に下がります。その為、食塊形成時において、上手く嚥下に適した食塊を形成し難くなります。適した食塊でないと嚥下反射も上手くいかず、誤嚥の原因となります。
高齢者の場合は不顕性誤嚥といい、誤嚥した兆候が顕著に表れない場合もあるので注意して下さい。高齢者が肺炎になる原因で高い割合を占める肺炎の種類です。
沈下性肺炎
長い間仰向けに寝たきりで過ごす事によって血流が鬱滞した結果、肺の後下部が細菌の繁殖に適した条件を揃える事になります。その為炎症が起きやすくなり、肺炎を引き起こしやすい状況が生まれます。これによって起こる肺炎の事を沈下性肺炎といいます。
姿勢的にも痰や細菌が気管、肺に入りやすく注意が必要です。寝たきりの安静臥床という点から沈下性肺炎も高齢者に多い肺炎の種類です。
必要以上の仰向けでの安静臥床は避け、早期離床を心掛けましょう。寝たきりで、そもそも離床が出来ない場合は褥瘡予防の意味合いも合わせて、定期的に左向きと右向きで、体位を変換しましょう。
感染性の病気の細菌が肺に進入する
インフルエンザや感冒等の菌が肺に回り、肺炎になる事も高齢者では珍しくありません。インフルエンザの流行する時期では、病院や介護施設等での院内感染はよくあります。
まとめ
肺炎の原因を知って予防する
肺炎とは
誤嚥性肺炎
沈下性肺炎
感染性の病気の細菌が肺に進入する