「看護計画」とは耳慣れない単語ですが、入院すると看護師がどのようなケアをするのか個別に具体的な計画が立てられています。知っていると実生活でも役に立つかもしれません。
今回は高齢者に多い 肺炎 を例にとって 看護計画 について詳しくご説明します。
高齢者に多い肺炎について、「看護計画書」の見方(前編)
看護計画書とは何ですか?
一般的に入院をすると主治医から「入院診療計画書」という書類を渡され、病状の説明とともに治療計画についての説明を受けます。
同様に看護師から説明を受けて渡されるのが「看護計画書」です。以前はありませんでしたが、現在は看護師が入院中に行う看護ケアなどについて説明し、同意を得るように決まっています。患者さん一人一人について看護計画立てることで看護の質が保証されているのです。
入院すると始めは慌ただしく、検査や入院についての説明、各種同意書など多くの書類を受け取りますが、ゆっくりと落ち着いた時間に看護計画書に目を通してみて下さい。看護師がどういったことに目を向けて患者さんのケアにあたっているのかがわかります。
また、入院だけでなく在宅医療の現場でも看護計画は用いられています。訪問看護を受ける場合には「訪問看護計画書」というものがあり、セラピストがリハビリを行う場合には「リハビリテーション計画書」というものがあります。どちらも説明を受けて同意する必要があります。
目標や内容が明らかになって患者さんが医療を受けられるように日本の医療制度は整えられているのです。
どのように看護計画を立てるのか
看護計画はまず、患者さんの抱える問題を明らかにして目標を立てます。肺炎を例にとって考えると、医師は肺炎の完治を目標とします。看護師は肺炎の治療が行われる過程で、安全に安楽に患者さんが過ごせることを目標として計画を立てます。
計画立案の前に、その患者さん個人についてアセスメントを行います。アセスメントとは患者さんに関する情報を整理して問題点を抽出する作業です。
病気の状態、栄養、排泄、活動、睡眠、認知・知覚、患者さんの社会背景や病気に対する思いなど、細かな項目にわけてそれぞれ考え、治療に影響する項目について必要な看護的介入を考えます。
例えば肺炎の高齢者であれば、転倒する危険性が高いので必ず移動には付き添う、義歯がないか確認し口腔内を清潔にできるよう援助する、などが考えられます。
計画は観察計画、実施計画、教育・指導計画の3つから成り立ちます。目標は入院中に適宜評価され、達成のために計画は見直しされます。
まとめ
高齢者に多い肺炎について、「看護計画書」の見方(前編)
看護計画書とは何ですか?
どのように看護計画を立てるのか