「高齢者に多い肺炎について、「看護計画書」の見方(前編)」では、看護計画書の立て方についてご説明いたしました。後編では、実際に 肺炎 を例にとり 看護計画 がどのように立てられるのかご説明いたします。
上手に看護計画書を利用して退院後の生活にも役立てましょう。
高齢者に多い肺炎について、「看護計画書」の見方(後編)
高齢者の肺炎の特徴は
肺炎は現在死亡原因の第4位であり、特に高齢者に多くみられる疾患です。風邪やインフルエンザをこじらせて肺炎にかかる場合や、加齢に伴う嚥下機能の低下によって起こる誤嚥性肺炎の場合があります。
高齢者は何らかの基礎疾患を抱えている場合も多く、そのために抵抗力が弱く肺炎にかかりやくなっています。急速に重症化するため早期の診断、治療が重要になります。
肺炎の代表的な症状としては発熱、胸背部痛、咳嗽、喀痰、呼吸困難などがあります。高齢者の肺炎では発熱の頻度が低く、意識障害や食欲不振など一見肺炎と関係ないような症状でみつかることもあります。
炎症により痛覚が刺激されるため、深呼吸や咳嗽、体動時に胸背部痛が起こりやすくなります。胸痛のために咳嗽しにくく増加した痰を出しにくくなり、また炎症そのものの影響で呼吸状態が悪化して呼吸不全になります。
高齢者では咳のみられない場合もあります。高齢者は肺炎症状が乏しく、非定型的であるため見過ごされることもあり注意が必要です。
高齢者の肺炎の場合の看護計画はどういったものになりますか
まずは体温が平熱となり、呼吸状態が安定し苦痛なく過ごせることが目標となります。発熱や咳嗽に対しては苦痛を和らげるための援助を行います。特に高齢者の発熱による水分バランスや意識状態の変化、循環動態には注意深い観察が必要となります。
また、肺にしっかりと空気が入らない状態である無気肺を起こしやすいので、安楽な体位や痰が出やすくなるための援助を行います。
高齢者は排便コントロールに問題を抱えていることも多く、便秘や下痢は体力を消耗するため、適切にコントロールをはかります。十分な休息がとれるように夜間睡眠への援助も必要です。
急性期を過ぎると、患者さんや家族が肺炎について理解し、再発を予防できることが目標となります。
口内細菌をためないこと、誤嚥を起こさないようにすることが予防に繋がります。適切な口腔ケアや嚥下状態に応じた食事の形態の見直し、排痰訓練など本人と家族が実施できる範囲で指導します。歯周病がある場合には歯科での治療を促します。
また、免疫力をアップし体力を維持するための食事や運動など、日常生活での指導も必要です。退院後の生活がどのようになるのか想定し、社会資源の活用が必要な場合には連携をとることになります。
専門的でわかりにくいこともありますが、看護計画を知るっていると看護師の視点がわかるので、どういったことに気を付ければいいのか知ることができますね。うまく看護計画書を活用して入院生活や退院後の生活のヒントにして下さい。
まとめ
高齢者に多い肺炎について、「看護計画書」の見方(後編)
高齢者の肺炎の特徴は
高齢者の肺炎の場合の看護計画はどういったものになりますか