「肺がんのステージごとの症状と高齢者罹患率および進行状況(前編)」では、 肺がんの症状 や転移によりおきる症状についてご紹介いたしました。後編では、肺がんのステージ別生存率や高齢者の網羅率についてご紹介いたします。
肺がんのステージごとの症状と高齢者罹患率および進行状況(後編)
肺がんのステージについて
肺がんのステージはⅠ期からⅣ期まであります。ステージⅠは83.8%、ステージⅡは50.1%、ステージⅢは22.4%、ステージⅣは4.8%です。早期発見が難しいということもあり、ステージⅡでも約半分の50%です。
そしてステージⅣの場合では、5%をきるという厳しい結果になっています。肺という部位が現在の手術中心の治療では、根治が難しい部位だといわれているためです。あくまでも参考でありますので、体力や免疫力などにより個人差は大きく違ってくる可能性はあります。
高齢者の肺がん罹患率と進行状況について
高齢者の肺がんは多いということは先にご説明いたしました。一般に肺がんは高齢者に多い病気とされていますが、その理由はいったい何なのでしょうか。
高齢者にがん患者が多い理由の一つには、免疫力の低下があげられます。加齢とともに免疫細胞を司るリンパ球を生産する機能が低下してしまうのです。
また、腸には免疫細胞が数多く存在するのですが、加齢により腸内環境が悪化することで、免疫力の低下の原因になっているのです。
また、高齢になるにつれて、高血圧や糖尿病、心疾患などの病気を患っている可能性も高いことも原因として考えられます。
そして、高齢者の場合はがんの進行が遅いと言われていますが、その点については結論から申し上げると、発症する年齢によって病気の進行が早くなったり遅くなったりすることはないということです。
がんの発症のメカニズムは細胞の遺伝子異常に起因するため、がんの進行に個人差があるだけで、年齢の影響はないようです。
高齢者が肺がんにならないようにするため必要なこと
肺がんの原因として、現在はっきりとしているのは喫煙です。肺がんの種類で小細胞がん、扁平上皮癌というものがあるのですが、この癌は喫煙との因果関係がとても深く、タバコを全く吸わない人はほとんどかからないといわれている癌です。
タバコを吸う人ほど肺がんにかかりやすく、1日本数×喫煙年数=喫煙指数が600以上の人は肺がんになる危険大であり、喫煙者の肺がんの死亡率は非喫煙者の4~5倍といわれています。
若いころからずっと喫煙を続けてきている方は、ぜひこの数値を見て禁煙に取り組んでいただきたいものです。
しかし残念ながら、禁煙を急に始めたからといって肺がんになるリスクが極端に減るわけではありません。この先、高齢者の肺がん罹患率というのは、右肩上がりに増えていくというデータもあります。だからといって、あきらめることはできません。
免疫力の低下や腸内環境の悪化などを改善する方法や対策などは、まだまだあるはずです。まずは、身近にできることから取り組み、元気なお年寄りを目指して頑張りましょう。
今回は、肺がんのステージごとの症状と高齢者の罹患率と進行状況についてのご説明をいたしました。初期の発見が難しい肺がんですが、症状がない場合でも健康診断や、1年に1回の人間ドックにより早期にがんを発見できる可能性はあります。
日頃から免疫力を高める食生活、定期的な軽い運動などを心がけて、大きな病気に負けない身体をつくっていきましょう。
まとめ
肺がんのステージごとの症状と高齢者罹患率および進行状況(後編)
肺がんのステージについて
高齢者の肺がん罹患率と進行状況について
高齢者が肺がんにならないようにするため必要なこと