肺がんは早期発見がとても難しいといわれる癌の中の一つです。また、肺がんの患者の約半数は75歳以上の高齢者であるというデータがあります。肺がんの初期症状やステージごとの症状、高齢者の罹患率と進行状況など、疑問は多くあります。
今回は 肺がんの症状 と高齢者の罹患率と進行状況についてご説明いたします。
肺がんの症状と高齢者罹患率および進行状況(前編)
肺がん初期症状についてわかっていることについて
肺がんの初期症状にみられる症状についてご説明します。肺がんの初期症状としてみられるのは、
- 乾いた咳が1ヶ月以上続く
- 血の混じった痰がでる
- 咳と一緒に血がでることがある
- 胸のあたりに痛みを感じる
- 息切れをしやすい
発熱や咳、痰などは肺炎に似た症状がでるなどがあげられます。この症状はあくまでも代表的なものであるので、全く症状がない場合も多く、また、症状の出方もさまざまですので、全て当てはまるということではなく、1つでも当てはまるようなことがある場合には早めに病院を受診なさることをお勧めします。
また、肺がんは初期に発見されることが難しく、初期の症状場がでている場合にはすでにほかの臓器に転移していることによる、転移の症状として出ている可能性も高いのです。
肺がんが他の臓器に転移することによっておこる症状について
肺がんは転移をしやすい癌の代表的な一つです。ほぼ全身に転移する可能性のある癌です。特に、脳、骨、肝臓などに転移をしやすい傾向があります。
肺は胸膜という膜に包まれていますが、その胸膜にがんが転移した場合におこる、がん性胸膜症の症状は、胸の痛み、咳などの症状がでます。
また、がん性胸膜炎が進行すると、胸に水が溜まってしまう胸水と呼ばれる状態になってしまい、呼吸困難を引き起こすため大変危険な状態に陥ります。
肺にできた癌が脳に転移した場合には、脳の機能に異常が起きるために、激しい頭痛、吐き気、嘔吐、麻痺、けいれんなどの症状がおこります。肺がんは脳に最も転移しやすい部位の一つとされており、肺がんと診断された患者の約1割に脳への転移が確認されています。
肺にできた癌が骨に転移した場合には、骨の強い痛みや手足の痛み、腰や背中の痛みがおこります。肺がんと診断された時点で、骨に転移が確認される人も10~20%います。肋骨や骨盤、背骨に転移することがあります。
肺の癌が肝臓に転移した場合には、肝臓は沈黙の臓器といわれているように、まさに無症状です。しかし、症状が進行すると、腹部にしこりを感じたり、黄疸、全身の倦怠感が起こります。
まとめ
肺がんのステージごとの症状と高齢者罹患率および進行状況(前編)
肺がん初期症状についてわかっていることについて
肺がんが他の臓器に転移することによっておこる症状について