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肺結核の症状から知る一人ひとりの力

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haikekkaku syoujou

肺結核は、糖尿病や高血圧症が国民病と言われているのと同じように、肺結核は終戦前から暫らくの間、日本人の国民病と言われていました。

堀辰夫の作品に「風たちぬ」がありますが、この作品は、彼が結核を患いながらも、彼よりも症状の重い婚約者に付き添って、空気のいい信州の高原にあるサナトリウムでの経験を描いた作品です。

当時は、結核は治療薬がないため、もっぱら「大気、安静、栄養」療法が主流で、自分の免疫力、自然治癒力に頼るしかなかった時代です。

今でこそ結核はいい薬が開発されたため、不治の病ではありませんが、化学療法が進歩した現在でも、多くの肺結核患者が見受けられ、それも高齢者の間に発症しているのです。

ここ数年は年間で二万人を超えるぐらいの人が新患者として登録され、各年度末の登録者数は5万人を超えています。

人口10万人当たりの日本の結核罹患率は、アメリカの5.2倍、ドイツの3.3倍、オーストラリアの2.8倍になっています。

これを見る限り、日本から結核を撲滅するのは、そう簡単にはいかないようです。そこでこれより結核、中でも 肺結核 について考えていきましょう。


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肺結核の症状から知る一人ひとりの力


- 目次 -

  • 肺結核は感染症
  • 肺結核の成り立ち
  • 肺結核の症状
  • 肺結核の検査
  • 肺結核の治療
  • 肺結核はひとり一人の注意が大事です

肺結核は感染症

肺結核の代表的な症状は、咳、痰、発熱、血痰、喀血、倦怠感、それに極端に痩せてくることです。

風やインフルエンザに似ている症状でもあるので、発病当初は間違えることがあるそうです。というのも、今の若いお医者さんは、肺結核の症状に出会ったことのないので、診断を見誤ることもあるのです。

それでは、そもそも肺結核ってどんな病気なのでしょうか。紐解いていきましょう。

肺結核は、結核菌に感染し肺に結核病巣が出来ます。この病巣から結核菌が喀痰や飛沫とともに喀出され、それを人が吸い込むことによって伝染、肺胞まで達して病巣を作ります。いわゆる飛沫感染というものです。


肺結核の成り立ち

結核菌は肺胞にある肥満細胞に取り込まれた後、細胞を破壊して他の細胞で増殖します。肥満細胞は結核菌が遺物であることをリンパ球に伝えることで、結核菌の増殖を抑え、結核菌の侵入を防ぐ免疫力が出来ます。

免疫力が出来ると結核菌の再侵入時に炎症を起こします。ツベルクリンの注射での反応は、これを利用したものです。

病巣内の結核菌は免疫力に負けないで残ることがあります。これを結核結節と呼んで、瘢痕化するのですが、数年後に体力の低下や免疫力の後退などを契機に、病巣が再燃し外に飛び出してきます。やがて、肺内に進出、拡大し肺結核となるのです。

炎症を胸膜で起こせば結核性胸膜炎。リンパ節ならばリンパ節結核。血液に入れば肺だけでなく体内に病巣を作る粟粒結核となります。

肺内での病巣がさらに大きくなると、中身が壊死し空洞になります。そして、その内容物が結核菌と一緒に痰として喀出、飛沫感染のもとになるのです。


肺結核の症状

肺結核の初期症状には、自覚するようなものがないため、見過ごされることが多い傾向にあります。仮にあったとしても、食欲がない、だるい、眠れない、微熱がある、疲れやすいなど、風様の症状と同じなので、なおさら、その傾向が強く出ます。

その後、どうも症状が治まらなく三週間も続くようであれば、肺結核を疑います。肺結核が進行すると、肺内に病巣ができ、咳や痰、血痰、喀血、それに炎症からの発熱や全身の倦怠感、食欲不振などが強く出るようになります。場合によっては、息切れや呼吸困難も見られるようになります。

咳や痰、発熱が続いた際には、ただ単なる風邪と考えずに、病院で検査をすることが大事です。特に高齢者は、症状に対する感度が鈍っていますので、よけいに気配りをする必要があります。


肺結核の検査

基本的な検査は画像検査と喀痰検査が中心です。画像検査は胸部X線写真、それも直接撮影を行います。これによって、結核の病巣浸潤、散布数、空洞、石灰化層、肺門リンパ節腫大などが読み取れます。さらに詳しく見る場合にはCT撮影も行います。

喀痰検査で喀痰中に結核菌が検出されれば、結核の診断はほぼ100%確定的になります。それだけ重要な検査になります。検出された結核菌の量を確認することで、重症度や活動性が判断できます。


肺結核の治療

肺結核の治療は、昔は空気、安静、栄養療法が当たり前だったのですが、今は、いい薬が出現して、時代が変わったことを実感させてくれます。

治療の主体は薬物療法で、戦後すぐはアメリカ軍が持ち込んだストレプトマイシンが有名でしたが、現在は症状や菌の耐性、副作用などを勘案して選択できるようになっています。

実際に、抗結核薬の種類は10種類以上が開発され、それらの薬を複数組み合わせて投与しています。

初期の段階での治療は、イソニアジド、リファンピシン、エタンブトール、硫酸ストレプトマイシンのうちの三剤を用いるのが一般的で、副作用などを見越したうえで、他の薬剤を使う場合もあります。いずれにしても、患者さんにあった薬剤の選択が行われます。


肺結核はひとり一人の注意が大事です

風邪と結核は違います。まぎわらしいと感じるかもしれませんが、普通の風邪と少し違うなとおもったら、すぐに病院へ行きましょう。これまで見てきたとおり、今ではよく治ります。

排菌の可能性のある人は、感染させるリスクがあるので入院が必要になります。他の人たちへの伝染を防止するためには当然のことです。

ひとり一人が肺結核に対して知識を持ち、どのような行動をとればいいのか、考え、実践することが、肺結核に負けない態度の取り方です。

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まとめ

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