「肺気胸の症状と治療について(前編)」では、肺気胸の原因や症状についてご説明いたしました。後編では、 肺気胸 の診断方法や治療法についてご説明いたします。
再発を予防するためにも日常的に 症状 をしっかり把握しておくことが大切です。
肺気胸の症状と治療について(後編)
診断と治療方法ー日常生活で気をつけておきたいことー
肺気胸の診断と検査は、主に胸部X線や胸部CTによって判断されます。胸部X線の場合、肺が萎んでいる状態が確認されれば、肺気胸と診断されます。
X線では認めにくい軽度の肺気胸では、胸部CTで判断することになります。また、聴診器で胸の音を聞いたり、胸を指で軽く叩く打診によってもわかるといわれています。
治療方法ですが、肺のしぼみが軽度で症状も重くなければ横になって安静にして様子を見ます。症状が続いたり重篤な症状の場合は、持続脱気とよばれる処置を行います。
肋骨と肋骨の間から細いチューブを胸腔内に入れて、特殊な機械によって肺から漏れてしまった空気を引き出し、肺の呼吸を助ける方法です。肺がしっかりと膨張すればチューブを抜き、再発防止のため薬剤の処方や血液を胸腔内に注入などの措置をします。
外傷性の場合も軽度であれば、同様に安静にしてもらいます。進行している場合は胸腔穿刺を行い、胸腔内にたまった空気を排除します。他にも胸腔内にチューブを挿入して持続的に空気を吸引する胸腔ドレナージ治療を行うなどの方法もあります。
再発を3回以上繰りかえす場合は、入院と手術が必要になります。手術法には、ブレブの切除などの措置を行う腋窩小開胸法(えきかしょうかいきょほう)や、身体に傷をつけない治療法といわれる胸腔鏡治療法などを行います。
手術を行わない場合の自然気胸の再発率は20%から30%といわれていますが、手術後の再発率は2%まで下がります。日常的に症状をしっかり把握しておくことが大切です。
また、日常生活では、禁煙を心がけたり、ゆっくり休む時間をとるなどストレスをためない生活を心がけましょう。再発防止のために、登山や飛行機に乗る、ダイビングをするなどの機会がある場合、医師と相談をしたうえで判断をしていくことが大切です。
まとめ
肺気胸の症状と治療について(後編)
診断と治療方法ー日常生活で気をつけておきたいことー