白内障とは、目の中の水晶体というレンズが濁り、視界が霞み視力が低下する病気です。一般的に、高齢化とともに発症して人間の誰もが抱えることになるのが白内障の特徴です。視界が霞んでしまう病気のため、症状が進めば日常生活にも大きく影響が及びます。
一般的に症状を発症したばかりの軽度の時は、点眼薬で予防を行います。しかし一旦、症状が出てしまえば薬物治療では根本的な治癒はできず、手術をしなければなりません。では具体的に、 白内障 にはどのような 治療 方法があるのでしょうか?
今回は症状の段階毎に合わせた治療方法についてお伝えします。
段階毎の白内障の治療方法
予防から手術まで
もしも白内障が発症してしまい、水晶体が濁ってしまった場合、完全に視力を回復するためには手術を行うしかありません。なぜなら薬物治療では、1度濁ってしまった水晶体を元に戻すことができないからです。
薬では症状の進行を抑えることしかできず、元の視力を回復させることはできないのです。しかし軽度の白内障で、日常生活においても影響が出ない程度であれば手術まで考える必要はありません。点眼薬や内服薬を使用しながら、白内障の進行を抑えましょう。
日常生活に支障をきたすレベルに症状が進行したら、医師と相談し手術を行うことを検討するのが一般的です。
軽度症状時の薬物治療
白内障の症状が軽度で、日常生活に支障がないレベルの時は点眼治療を行い、症状の進行をやわらげます。点眼薬には、ピノレキシン製剤とグルタチオン製剤という2種類の薬を利用することで、白内障の進行を予防します。
内服薬では、唾液腺ホルモン製剤、チオプロニン製剤、アルドース還元酵素阻害剤、八味地黄丸などの4種類の薬を利用して予防を行います。
こうした薬物治療を行う上で、白内障の進行は完全に止めることはできない、ということは念頭においておかなければなりません。白内障において、薬はあくまでも進行を遅らせることしかできないのが現状です。
生活に支障が出る症状時における手術治療
白内障の症状が進行した場合は、医師の判断を仰ぎ、手術を行わければなりません。白内障の治療は、素人が判断することは危険です。なぜなら白内障は進行すれば、ブドウ膜炎や緑内障などの疾患も、誘発してしまうこともあるからです。
定期的に医師と相談しながら、症状が進行したのであれば手術を決行しましょう。白内障手術では、濁った水晶体を人工のレンズに取り替える作業をします。濁った水晶体を超音波で砕いてから、取り出し、人口のレンズを入れる、というやり方が一般的です。
単焦点レンズを入れるか、多焦点レンズを入れるか、により手術にかかる費用を大きく異なってきます。手術にかかる時間は極めて短くなってきており、日帰り手術も可能です。
白内障の手術後のケア
白内障の手術後は、傷口が塞ぎきっていないため目の中にばい菌が入りやすい状態です。術後は、医師の指示に従って生活をしましょう。
回復の早い人であれば、手術の翌日から視力の回復を実感することができますが、目の症状により視力が安定するまで1~2ヶ月の間は定期的に点眼治療を行うため通院が必要です。術後3ヶ月は一般的に点眼治療も必要なくなります。
しかし後発白内障や遅発性眼内炎などの後期合併症が発見されることもあるため、年に1~2回は検診を行いましょう。
医師と相談しながら治療方法を決めましょう
白内障治療においては、生活に支障がないレベルの症状であれば手術までは検討する必要はないかもしれません。点眼治療で様子を見ながら、症状が進行していったら手術を検討します。
白内障は他の病気と合併しながら進行することもある難しい病気です。症状の軽い薬物治療の段階から、手術が必要な段階にいたるまで医師と定期的に症状を確認しながら治療方法を決定していきましょう。
まとめ
段階毎の白内障の治療方法
白内障治療の考え方
軽度症状時の薬物治療
生活に支障が出る症状時における手術治療
白内障の手術後のケア
医師と相談しながら治療方法を決めましょう