白内障は主に高齢化とともに発症する病気で、眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁り視力が低下してしまいます。薬物治療では視力は回復しないため、視力を回復させるためには、手術を行い濁った水晶体を人工のレンズに入れ替えなければなりません。
白内障手術は、眼内を切り開く作業を行う必要がある極めて繊細な手術です。手術終了後もすぐに視力が回復するわけではないため、 白内障 は 術後 も定期的に通院する必要があります。
今回は、白内障手術後の対応方法についてお伝えします。
白内障手術後の対応方法
白内障は手術後を行って終わりではない
白内障手術では、水晶体の核部分を超音波で砕き、濁りのない新しい人工のレンズに入れ替える作業を行います。手術自体は、日帰りでの手術も可能なほどに短時間で終わります。医療の発達もあり、現在は極めて安全な手術です。
しかし術後は眼に傷口ができ、細菌が入りやすい状態になるため、検査と診断を行う必要があります。手術が成功しても視力がすぐに回復するわけではなく、後発白内障や遅発性眼内炎などの後期合併症が発見されることもあるため、術後1年以内は定期的に病院に通う必要があります。
視力が回復するまでにかかる時間
術後は人工のレンズが眼の中に入るため、異物感、充血、炎症など何かしらの症状を感じる方がほとんどです。これは眼の状態や全身状態や、手術を行いやすい眼かどうかにより変わってきます。視力回復を感じるタイミングも人それぞれです。
翌日には、視力回復を感じる方が多いですが、1週間から2週間かかる人もいます。視力の回復は、人それぞれであり、同じ人でも左右眼で見え方は異なります。視力は黄斑部の機能に依存しており、焦らなくても黄斑部の機能の回復に応じて視力は回復します。
また1度手術を行い、人工のレンズを入れてしまえば眼内レンズは濁ることはないので、再手術で入れ替える必要はありません。
術後も定期的に必要になる通院
手術後は、眼に傷口が出来るため細菌が眼の中に入ってしまい眼内炎という合併症を発症するリスクもあります。定期的に通院をして、視力検査や診断を行いましょう。
具体的な術後の通院スケジュールは翌日、翌々日、術後1週目、2週目、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後です。急な変化があった時などは適宜、指示のあった通院に加えて診断してもらいましょう。術後3ヶ月には視力も安定して、点眼治療も必要なくなってきます。
発症する可能性がある疾患
白内障手術終了後も、術後早期の合併症として、細菌性眼内炎に注意が必要です。術後は何も問題なく視力が回復しているように感じても、術後3日から7日頃に急に痛みや見にくさを感じた場合は、細胞性眼内炎である可能性が高いです。
放置すると失明にいたる可能性があるので、早期治療を心がけましょう。また術後から数ヶ月から数年経ち、水晶体のふくろが濁ってくるために発症する後発白内障という疾患もあります。
視界が霞んだり、まぶしく感じたりしたら後発白内障の可能性があります。後発白内障はレーザーを使って濁りを撮ることが可能で、視力はすぐに回復します。
白内障手術後にメガネは必要なのか
白内障手術後の眼は、ピントを合わせる調節力を失ってしまうためほとんどの人にメガネが必要です。もしメガネなしで遠くがよく見えれば、近くを見る時に必ずぼけて見えてしまいます。逆に近くがよく見えるのであれば、遠くがぼやけて見えてしまいます。
視力も変化して、術前に使用していたメガネは合わなくなる人が大半です。術後の眼の状態が落ち着くまでは、1~2ヶ月かかります。手術直後によく見えたメガネも、2~3ヶ月経てばよく見えなくなることもあります。医師と相談して、どのようなメガネを利用するか検討しましょう。
まとめ
白内障手術後の対応方法
白内障手術でやること
白内障手術後に視力が回復するまで
白内障手術後の通院
白内障手術後に発症する可能性がある疾患
白内障手術後にメガネは必要なのか