皮膚を剥がしたいほどの強い痒みを伴う、皮膚掻痒症は大変つらいものです。 皮膚掻痒症 は掻いても、繰り返し痒くなるのが特徴で、いつの間にか、体中が掻破痕だらけになっていたということも少なくありません。皮膚掻痒症を詳しくご説明いたします。
辛い痒みが伴う皮膚掻痒症とは(前編)
皮膚掻痒症の症状とは
痒みを引き起こす原因や仕組みはまだわかっていません。肥満細胞から放出されたヒスタミンが、神経細胞に作用して痒みを認識しているところまでが解明されています。
皮膚掻痒症は主な原因となる皮膚の異常が見られないにも関わらず、強い痒みが発生し、無数の掻破痕を形成します。発赤や湿疹、掻破によって皮膚が茶褐色に変色することもあります。
高齢者に多い、皮膚掻痒症では皮脂欠乏性皮膚炎や乾皮症湿疹を併発していることが多く見られます。
皮膚掻痒症による掻破痕が最も多く見られるのが、腰部や下腿です。手の届きやすい部分ほどひどく掻き壊す傾向にあります。この痒みで夜間に起きてしまう方や、なかなか寝付けないなど訴える方もいます。
皮膚掻痒症の分類
皮膚掻痒症の痒みが起きる部位は、人によって違います。全身の至るところに発症するものを「汎発制皮膚掻痒症」と呼び、頭部、下腿や陰部など限られた部位に発症するものを「限局性皮膚掻痒症」と大分類します。
頭部や陰部ではカンジタなどの真菌によって痒みが引き起こされていることもあり、悪化する前に専門家への受診が必要でしょう。
高齢者特有のドライスキンによって起きるものを、「老人性皮膚掻痒症」や「老人性アトピー」と称し、妊婦が症状を呈したときには、「妊娠性掻痒症」と診断されます。これは、皮膚掻痒症の原因がわかっていないので、患者が訴える症状で病名がついています。
皮膚掻痒症の特徴
皮膚掻痒症を訴える人に共通している事項があります。
今までに食べ物によるアレルギーや喘息・花粉症などのアレルギー反応の既往がないことです。これらの症状によるアトピー素因がなく、大きな環境変化やストレスなども見当たらないことです。
ある日突然、痒みの症状が異常なほどに強く出現し、我慢できない痒みから掻破痕を形成してしまうのです。症状に対して、ステロイドなどの炎症やかゆみ止めを塗布しても、際立った改善所見がないことがあげられます。
まとめ
辛い痒みが伴う皮膚掻痒症とは(前編)
寒気がするほど強い痒みの皮膚掻痒症
皮膚掻痒症の症状とは
皮膚掻痒症の分類と原因
共通する皮膚掻痒症の特徴