胃がんの治療で大切なのは、早期発見・早期治療と言われています。胃がんから身を守るには、 胃がん にどのような 自覚症状 があるのかを知って、「軽い胃炎だから」などと自分で勝手に決めてしまわないことです。それは、もしかしたら体からの重要な信号なのかもしれません。
胃がんの自覚症状とは?
早期胃がんに自覚症状はある?
そもそも胃がんには、はっきりとした自覚症状がないことが多く、特に癌が胃の粘膜に留まる早期胃がんの場合には、癌に圧迫されたりして症状が出るようなことはまずありません。
自覚症状が出るとすれば、粘膜の表面がただれたり潰瘍になっている状態が考えられますが、その場合には胃のあたりの痛みや不快感、吐き気、胸やけ、吐血、タール便などの症状が起こります。
進行胃がんにみられる自覚症状とは?
次に、癌が胃の筋層よりも深く浸潤している進行胃がんの場合を考えてみましょう。こちらも癌のできる部位や進行度、表面の状態によって症状はさまざまであり、癌が筋層まで浸潤しているからといって特別症状があらわれるわけではありません。
しかし、癌が進行するにしたがって、胃のあたりの不快感や痛み、吐き気、嘔吐、胸やけ、食欲不振などの症状があらわれてくることがあります。
また、胃の中でも入り口にあたる噴門部や、出口に当たる幽門部といった部分に癌ができると、狭窄や閉塞を起こして食べたものが通過できず、繰り返し嘔吐してしまいます。
胃がんの表面からの出血がある場合
最もわかりやすいのは、胃がんの表面にただれや潰瘍ができて出血があるような場合ですが、吐血かタール便という形であらわれます。
出血するなんていうと悪いことのように思われるかもしれませんが、胃がんは自覚症状があらわれにくい病気ですので、出血によって早期に発見できるのであれば、逆に運がいいのかもしれません。
しかし、胃からの出血とは言っても鮮血を吐くほど出血することは少なく、本人も気付かない程度の出血が続いたりすることが多いようです。
そのため、胃がん患者の多くに貧血があり、顔色が悪くなる、痩せてくる、疲れやすくなるといったことが起こります。また、貧血の原因は出血ばかりではなく、癌によって血液の産生が減少することも関わっていると言われています。
リンパ節や他の臓器に転移があると
さらに癌が進行してリンパ節や他の臓器に転移してしまった場合に、どのような自覚症状があるのかご紹介しましょう。
リンパ節転移
リンパ節は、本来であればがん細胞を死滅させて、がん細胞が血液に入るのを食い止める役割を果たします。
しかし、生き残ったがん細胞がリンパの流れにそって他の部位に広がってしまうことをリンパ節転移と言います。転移したリンパ節は腫れて硬くなったり、その周りにむくみが生じることがあります。
肝臓転移
血液に乗って最も転移しやすいのが肝臓ですが、肝臓がんも自覚症状があらわれにくい病気です。食欲不振や倦怠感の他、進行してくると黄疸や腹水といった症状があらわれてくることが多いです。
肺転移
肺に転移した場合には、呼吸が苦しくなったり、痰が増える、血痰が出るなどの症状が現れることがあります。
腹膜転移
癌が腹膜に転移した場合には、多くの場合に腹水が起こります。また、癒着や圧迫によって腸閉塞を起こす場合もあります。
骨転移
骨転移とは、骨に癌が転移している状態であり、転倒したり打撲したわけでもないのに骨折するという病的骨折が起こります。
このような、他の臓器に転移しているような末期の状態になると、極端な体重の減少がみられます。また、胃や他の臓器に激痛が起こるような状況にもなってきますので、疼痛のコントロールも必要になってきます。
自覚症状があまり出ないスキルス胃がん
20~40代の女性に多く発症し、進行が早いため命を落とすことも多いスキルス胃がんは、早期に発見することが難しい胃がんです。これは、胃の粘膜にあまり変化がないまま、隠れたところで癌が広がってしまうためであり、内視鏡検査をしても見過ごされてしまうことが多いようです。
スキルス胃がんが広範囲に広がってくると、胃全体が縮んで硬くなってしまい、痛みや吐き気などの症状があらわれます。
また、胃の周りにも癌が浸潤してくると、腹水が溜まるなどの症状が出ますが、このような状態になってからでは癌はすでにかなり進行しており、治療はかなり困難な状態と言わざるを得ません。
胃がんから身を守るには?
胃がんは早期発見と早期治療が大切ですが、早期の胃がんに生じる自覚症状のほとんどは、胃炎や胃潰瘍とほとんど区別がつかないようなものばかりです。
胃がんから身を守るには、優れた眼を持つ消化器内科の医師による定期的な検査を受け、健康管理をしてもらう必要があるのかもしれません。
まとめ
胃がんの自覚症状とは?
早期胃がんに自覚症状はある?
進行胃がんにみられる自覚症状とは?
胃がんの表面からの出血がある場合
リンパ節や他の臓器に転移があると
自覚症状があまり出ないスキルス胃がん
胃がんから身を守るには?