日本人が最も多く罹るがん、それが胃がんです。しかし、がんによる死亡者数の第1位は肺がんなのです。つまり胃がんは、肺がんに比べると生存率の高いがんでもあります。胃がんの生存率は、がんの深さや転移の状況によって変わります。そして、その目安になるのがステージです。
今回は、 胃がん の ステージ の症状や治療法について分かり易く説明します。
ステージ別の胃がんの症状と治療法
ステージ1
最も生存率が高いのはステージ1で、いわゆる「早期がん」ですね。1A期はがんが粘膜下層でとどまっていてリンパ節への転移が無い状態です。1B期はリンパ節に若干の転移があり、A期が進行した状態です。
しかし厄介なことにがんが然程進行していない分、自覚症状が殆ど無いのです。なので、素人がこの段階で胃がんの兆候を発見するのは非常に困難です。敢えて症状を挙げるとするなら、下記の症状です。
- 吐き気
- 食欲不振
- ゲップがよく出る
- 貧血気味
しかし、これらの症状から胃がんの兆候を連想する人はほとんどいないでしょう。ですので、定期的に胃がんの検診を受けることが必要なのです。
ステージ1の治療法としては、1A期では外科的な手術ではなく、内視鏡による処置が一般的です。1B期になると胃の3分の2を切除し、リンパ節転移がある場合は周りのリンパ節も切除する外科手術が必要になります。
ステージ2
ステージ2の段階になると、「進行がん」になります。2A期はリンパ節転移がなく、がんが胃の筋層もしくは漿膜下層にとどまっている状態。2Bになると、リンパ節に1~2個程度の転移がある状態。
初期症状はステージ1とほぼ同じですが、胃の痛みを感じるようになり、場合によっては腰痛を発症することがあります。更にがんが進行すると、食事の時に様々な症状が現れてきます。
- 食べ物がつかえてしまう
- 胃が重く感じるようになる
- 体重が減る
こういった症状によって食欲が減退していきますので、食事で栄養を摂取できなくなってしまいます。その結果体力が衰えて免疫力が低下し、がんを進行させてしまいます。
ステージ2A期になると、開腹手術での治療になります。リンパ節に転移がある場合は、胃がんを完全に取り除くことを目的に胃の3分の2とリンパ節を切除する定型手術を施します。
リンパ節への転移が認められず胃のがんが大きくない場合は、胃の機能を十分に残すために縮小手術が施されます。
ステージ3
3A期はリンパ節への転移はないものの、がんが他の臓器まで浸潤している。あるいはがんが胃に接しているリンパ節に転移し、胃の表面まで浸潤しているか、筋層もしくは漿膜下層まで浸潤している。これらのいずれかの状態を指します。
3B期とは、がんが胃の表面に出て他の臓器に浸潤しリンパ節にも転移している状態です。3C期はがんが胃の表面に出てリンパ節への転移も増え、他の臓器にもがんが広がった状態です。
がんがここまで進行すると、腹部にしこりが出来るとか動悸や息切れを起こすといった症状が現れます。もしそういった症状が現れたら、早急に医療機関で診察を受けてください。
ステージ3の治療はステージ2と同じように開腹手術になりますが、がんの浸潤が進んでいるので、なるべく早い段階で手術をしないと更に転移が広がり生存率を下げる危険があります。
ステージ4
ステージ4は胃がんの最終段階であり、肝臓や肺などにも転移した状態でとても厳しい症状が現れます。つまり、末期症状ですね。
代表的な症状として、食欲がなくなり食べ物を受け付けなくなります。結果として栄養の補給ができず、体重が極端に減り体力が衰え貧血などの症状が起こります。そして、自分で触っても分かるくらいのしこりができます。また胸やお腹に水が溜まり、胃に激痛を感じることもあります。
ステージ4まで進行すると、がん細胞がその他の臓器に遠隔転移しています。ですので、手術による治療が難しくなり、抗癌剤による治療が主になります。しかし抗癌剤治療には副作用が伴いかなり辛い闘病生活を強いられることになります。
まとめ
ステージ別の胃がんの症状と治療法
ステージ1
ステージ2
ステージ3
ステージ4