胃癌は恐ろしい病気です。癌の中でも肺癌に次いで多い癌ですが初期段階で発見されれば90%以上の5年生存率となり、治癒する人も多いのが 胃癌 です。しかし初期の段階で発見するのが非常に難しく、また初期 症状 もわかりにくいのが特徴です。
わかりにくい胃癌の症状、定期検査が大事です
胃癌の初期と思える症状
下記する症状は日常の生活の中でよくある症状です。単なる胃炎か、もしくは胃潰瘍の可能性もあります。
- 漫然と胃の不快感が続く
- 食欲が不振
- 吐き気がする
- 胸のもたれを感じる
- 黒色の便が出る
- 体重は減ってきているように感じる
- 貧血がある
- ゲップが頻繁に出る
これらの症状だけで胃癌と判断するには難しいかもしれませんがこれらは胃癌の症状と共通しています。また体が何らかの異常を訴えているサインでもありますので、なるべく早く病院へ行き検診を受ける必要があります。
胃癌の進行を示す症状
上記の症状が長く続くようであれば、胃がんの可能性があります。早期癌は症状があらわれにくいのが特徴ですが、ある程度進行してくると、いろいろな症状が出てきます。ただ進行癌であっても胃癌に付随して起きる胃炎などの症状が出る場合がありますので、その区別は難しいです。
胃癌と合併する胃潰瘍の症状もまたよく似ています。次に胃癌が進行していると思われる症状をあげておきます。
食欲不振
悪心(おしん みぞおちから胸のあたりまでむかむかするような不快感のこと)嘔吐、食欲不振があり、むかむかして気持ち悪くなります。
これは、胃癌が進行し消化器の内腔が狭くなり食べたものの通りが悪くなって胃が重く感じるためであり、さらに食欲がなくなり嘔吐することもあります。胃癌と合併した胃炎や胃潰瘍のために悪心、嘔吐が起こることもあります。
るいそう、全身倦怠
るいそうとは脂肪細胞が病気のため減少する症状のことで、いわゆる痩せの程度が著しい状態のことです。そして全身倦怠とは体がだるいことです。こうした症状を示す場合もあります。
たくさん食べても癌に栄養を取られる、癌からの出血のためやせる、あるいは脱力感に陥ることもあります。
腹痛、腹部不快感
みぞおちやヘソの上などが痛む場合や、食事の前後に腹部の鈍痛やすっきりしない感覚の症状です。
胸焼け
通常は逆流性食道炎で起きる症状ですが、食道と胃の間に癌ができると食物の流れが悪くなり、食後にものがつかえるような感じや食べ物がこみ上げてくることがあります。
胃癌と胃潰瘍、十二指腸潰瘍との症状の違い
胃癌は、食事に関係なく起こる症状があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍は食後や空腹時に胃が痛む場合が多く見られます。
胃癌検診は1年に1度は行いましょう
胃癌は初期症状が分かりにくいため、1年に一度は、胃癌検診や人間ドッグが必須となります。自治体の胃癌検診は積極的に受けることをおすすめします。費用は自治体が一部又は全額補助してくれます。自由診療は10割負担となります。
検診の費用は割増になるかもしれませんが、内視鏡(胃カメラ)検査で確実に診てもらいましょう。
また、同時に胃癌につながる恐れのある萎縮性胃炎を調べるペプミノゲン検査、そしてヘリコバクター、ピロリ菌の抗体検査も受けましょう。ピロリ菌が見つかったら癌予防のため薬を飲んで除菌しておくことが大事です。
スキルス性胃癌はもっと恐ろしい癌です
現代医学の進歩は胃癌の分野でも早期発見、早期治療ができるようになりましたが、スキルス性胃癌は、さらに発見が難しく、ほとんど症状がありません。
また非常に予後が悪く、余命が短く、完治の難しい胃癌です。生存率を上げるには早期発見しかないのが実情です。スキルスとは硬いという意味で、胃の壁が硬くなることを言います。
普通の胃癌は、胃の壁に癌細胞が広がっていきますが、スキルス癌は胃の粘膜の下で癌細胞が広がっていきます。また出血もなく、静かに進行していきます。
進行すると胃が硬くなり、食事が摂れなくなり、食欲が低下し体重が減少してきます。また、胃がむかむかするような症状が出ます。
検診を受けた時にすでにスキルス性胃癌と判定されると、既にかなり進行している場合もあります。スキルス性胃癌は、胃癌全体の10%をしめている日本人に多い癌です。
まとめ
わかりにくい胃癌の症状、定期検査が大事です
胃癌の初期と思える症状
胃癌の進行を示す症状
胃癌と胃潰瘍、十二指腸潰瘍との症状の違い
胃癌検診は1年に1度は行いましょう
スキルス性胃癌はもっと恐ろしい癌です