歳をとるにつれ今まではほとんど聞かれなかった知人の入院やご不幸の知らせが、あちらこちらから届くようになります。ご自身でも「最近、どうも食欲がない」「胃が痛む」などのちょっとしたことが気になるようになります。
高齢になると病気にかかっている確率はとても高く、それが軽いものであるか手術が必要な程の重病であるのかは医療機関で診察を受けるまでは判りません。高齢者にとって気になる成人病といえば発症率が非常に高く二人に一人といわれる癌ではないでしょうか。
ここではその中でも特に関心度の高いと思われる 胃がん を取り上げ、その 症状 について説明していきます。
「胃がんかも?」胃がんを疑う症状とは
食欲不振
膨満感や胃もたれがして食欲不振になります。夏場の暑いときや疲労などによっても起こる場合があり原因は様々ですが胃がんの症状の一つでもあります。
胃に癌ができると消化作業が上手くいかなくなり、いつまでも食べたものが胃の中に残るようになります。そのため満腹感があり気分も悪いので食欲が減退します。
こういった症状は、一時的には治ってもまた発症するといった事を繰り返します。その結果栄養不足になり、だんだんと痩せていきます。
げっぷが出る
今まで気にすることの無かったげっぷがこの頃気になる。これも橙信号の一つです。私たちは普段なにげなくげっぷをしていますが、気になるほど多くはありません。
それが頻繁に出るようですと胃になんらかの異変がおきているという合図です。胃に癌ができると消化不良を起こし、それが原因でげっぷが出ると言われています。
貧血、疲れやすい
貧血は病気を知る重要な手がかりです。身体に異変が生じますと、私たちの体はそれに対応するため白血球を増産します。そのために赤血球が減産され貧血になります。
貧血になりますと酸素の運搬に支障が出るため息切れしたり、すぐに疲れるようになります。胃に癌ができるとそこからの出血もあり、さらに貧血が進みます。
胸焼けや吐き気がする
胃に癌ができると消化管内が狭くなることによって吐き気をもようします。食道との境付近にできると食べた物が逆流したり、つかえて吐き出すこともあります。
また十二指腸との境に癌ができることによって流れが悪くなり、胃の中のものがなかなか腸のほうへ移動しないためにムカムカしたり、便秘になったり口内炎や舌炎、味覚障害、口腔乾燥、口臭といったいろいろな症状が出ては消えまた出るなど繰り返し起こります。
体重の減少
沢山食べているにも関わらず体重が減ってきます。これは栄養が癌に取られてしまうのと癌によって生じたいろいろな障害の解決にエネルギーが使われるからです。
自分では気がつかなかったのに「最近、痩せたんじゃない」と突然周囲から言われたりしてわかることがあります。特に急激に体重が減るようでしたら、まず胃がんを疑ってみる必要があります。
痛みがある
みぞおちの上あたりに痛みがあります。胃がんの場合、食事とは関係なく痛みます。進行するにつれ腰や背中にも痛みが出てきます。
吐血や下血
胃潰瘍と似た症状ですが血を吐いたり、下血によりタール便と言われる真っ黒い便が出ます。これは胃がんの場合ですと癌の表面が崩れ出血することにより起こります。
これまで胃がんの症状としていくつか取り上げてきましたが、どれも胃がんを特定するものではありません。ですが真っ先に胃がんを疑うべき症状であることに変わりはありません。
先にあげた症状にいくつかあてはまるようでしたら、ご自身であれこれ悩んだり結論付けたりしないで、すぐに医療機関での検診を受けましょう。胃がんには早期発見こそが最良の治療です。早いうちに発見できれば胃がんは決して怖い病気ではありません。
まとめ
「胃がんかも?」胃がんを疑う症状とは
食欲不振
げっぷが出る
貧血、疲れやすい
胸焼けや吐き気がする
体重の減少
痛みがある
吐血や下血