胃がんは早期発見できれば完治する可能性が高い病気です。早期発見するためには、胃がんの初期症状をきちんと知っておく必要があります。
今回は、早期発見したい胃がん。見逃したくない 胃がんの初期症状 とステージごとの胃がんの症状についてご説明いたします。
早期発見したい!見逃したくない胃がんの初期症状(前編)
見逃したくない胃がんの初期症状について
がんは誰でもなりうる病気ではありますが、特に高齢になると起こりやすくなる病気でもあります。がんになるということは、とても怖い病気にかかったと感じますが、だからこそ胃がんについて早期発見ができるよう、見逃したくない初期症状を知っておくことは大切なことです。
胃がんの初期症状は自覚症状がないことが多いようです。高齢になると検診が億劫になりがちですし、胃がん検診のバリウム検査や胃カメラ検査は身体に負担がかかるため避けてしまいがちです。
しかし、胃がんを早期発見するためには、定期的にきちんと検診を受けることがとても大事です。
見過ごしがちな胃がんの初期症状としては、最近食欲がなくなった、体重が減っている、みぞおちのあたりが痛むなどがあります。少し詳しく説明します。
一つ目は、食欲不振です。食欲がなくなってきた、あるいは今まで好きだったものが嫌いになるなどの変化がおこります。食欲がなくなり、食べられなくなるともちろん体重も減少します。
もし、半年以内に10%~15%程度の体重の減少がある場合は注意が必要です。
胃がんの初期症状以外でも食欲不振にはなる可能性は高く、他の原因により体重が減る場合がありますが、万が一ということで、見逃したくない胃がんの初期症状としてこのような体重減少があることも知っておいていただきたいのです。
二つ目は、みぞおち(上腹部)の痛みがあります。早期の胃がんの約40%の方が空腹時にみぞおち(上腹部)の痛みがあります。食後に痛みを感じる方は約10%です。進行すると痛みの質が少し変わり、食事とは関係なく鈍痛を感じるようになります。
みぞおちの(上腹部)の重圧や膨満感です。進行がんの症状で多いようです。
三つは、吐き気と嘔吐です。胃の入り口と出口の部分にがんができると、食べ物が使える感じがします。入り口が狭くなった場合には飲みにくさを感じますし、出口の部分が狭くなる場合には食後に胃がもたれたり、ゲップ、嘔吐などがおこります。
四つ目は、動悸や息切れなどを引き起こす貧血です。胃がんになると身体の中でじわりと出血が起こっている場合があります。それが原因で貧血状態になります。貧血になると立ちくらみがしたリ、動悸や息切れの症状があらわれます。
胃から出血している場合は、腸を通るときに血液中のヘモグロビンに含まれる鉄が酸化してタールのような黒い便がでます。排便のときにこの黒色便に気付いたら、早急に病院を受診することをお勧めします。
ステージごとの胃がんの症状について
胃がんにはがんの進行状況によってステージ1~4があります。ステージ別に胃がんの症状をみてみましょう。
ステージ1は、最も生存率が高いものではあります。いわゆる早期がんといわれるものです。
ステージ1A期はがんが粘膜下層でとどまっており、リンパ節への転移がない状態です。ステージ1B期はリンパ節に若干の転移があり、A期が進行した状態です。
この段階ですと厄介なことにがんが進行していないということもあり、自覚症状がほとんどないという状態です。
しかし見逃したくないのであえて症状をあげてみます。吐き気や食欲不振、ゲップがよくでる、貧血気味などです。この状態ですぐに胃がんと結びつける方は、よほど神経質な方でなければ、ほとんどいらっしゃらないかもしれません。
ですから、ここで重要なことは、症状を確認するということよりも、定期的に検診を受けることです。いつもと様子が違うと感じた場合には早めに病院を受診することも大切です。
ステージ2は、いわゆる進行がんになります。2A期はリンパ節への転移がなく、がんが胃の筋層もしくは漿膜下層にとどまっている状態です。2Bになると、リンパ節に1~2個転移がある状態になります。
初期症状はステージ1とほとんど同じではありますが、ステージ2になると胃の痛みを感じるようになり、場合によっては腰痛を感じる方もいらっしゃいます。さらに症状が進行すると食事のときにさまざまな症状があらわれてきます。
例えば、食べ物がつかえるようになる、胃が重く感じるようになる、体重が減少するなどです。食欲がなくなるために、食事から栄養を摂取することが難しくなり体力が低下します。体力が低下するということは免疫力も衰えるため、がんを進行させてしまいます。
ステージ3の3A期には、リンパ節への転移はないのですが、がんがほかの臓器にまで浸潤していることになります。
もしくは、がんが胃に接しているリンパ節に転移して胃の表面にまで浸潤しているか、筋層もしくは漿膜下層まで浸潤しているかの、いずれかの状態を指します。3B期とは、がんが胃の表面にでてほかの臓器に浸潤し、リンパ節にも転移している状態です。
3C期には、がんが胃の表面にでてリンパ節への転移も増え、他の臓器にもがんが広がっている状態になります。
がんが、ここまで進行すると、腹部にしこりができたり、動悸や息切れをおこすという症状がおこります。しこりを感じるようであれば早急に病院を受診する必要があります。
ステージ4は胃がんの最終段階であり、肝臓や肺といった重要な臓器に転移をした状態になります。いわゆる末期症状といわれるものです。
代表的な症状としては、食欲がなくなり食べ物を受け付けなくなります。体重が極端に減り、体力が衰えて貧血などの症状がおこります。自分で触ってもわかるくらいのしこりができます。
胸やお腹に水が溜まり、胃に激痛がはしります。ステージ4まで進行してしまうと、がん細胞がその他の臓器に遠隔転移しています。そのため手術による治療が難しくなってしまいます。
まとめ
早期発見したい!見逃したくない胃がんの初期症状(前編)
見逃したくない胃がんの初期症状について