症状が少なく、進行が早いことで知られる胃癌は、現代の日本では癌による死亡原因では肺癌に次いで多くなっており、特に男性は女性の2倍となっています。早期発見・早期治療に繋げる為、 胃癌の症状 や種類、要因などについて説明します。
胃癌の症状を知って早期発見・早期治療に繋げよう
胃癌は大きく2種類にわけられる
胃癌には、「早期胃癌」と「進行性胃癌」と呼ばれる2つの種類に大きく区分されます。
早期胃癌は、胃の粘膜部分に留まっているものをさし、粘膜より深い部分にまで浸潤しているものを進行性胃癌と呼びます。
そこから更に細かい分類にわかれ、早期胃癌のなかでも、粘膜の表面が盛り上がる隆起型から、潰瘍を伴う陥凹(かんおう)型まで4つのステージにわけられています。年代別の傾向として、高齢者には初期である隆起型が多く、若年性では陥凹型が多くみられます。
また、進行性胃癌の場合も4つのステージにわけられており、なかでも4型のびまん浸潤型はスキルス胃癌とも呼ばれ、極めて進行が早く、予後が悪いとされています。
胃癌には特有の症状がない!?
胃癌には「胃癌特有の症状」と言うものがなく、特に初期の段階では無症状であることも多くみられます。また、症状としては胃潰瘍やその他の胃疾患と似ているものがほとんどであり、特に陥凹型の場合は潰瘍を伴うため非常に症状が似かよっています。
あげられる症状としては、みぞおちの痛み・胸焼け・消化不良などが代表的です。みぞおちの痛みについては、40%の人が空腹時に痛みを感じ、10%の人が食後に痛みを感じます。
また、進行するにつれて、空腹時・食後に関わらず慢性的な鈍痛がみられます。進行性の胃癌の場合も、約半分の人が無症状といわれています。
進行するにつれ、食欲不振や体重減少、胃内部からの慢性的な出血による貧血や、血便、黒っぽい便がみられる、また吐き気や嘔吐を伴います。この段階になると、完治は極めて難しいと言わざるを得ません。
高齢者は胃癌になりやすい?治療方法は?
高齢になるにつれ、粘膜が薄くなる、血液が減少する、胃分泌液が減少するなどの要因から、加齢に伴う胃疾患のなかでも、消化性潰瘍と並んで最も多いのが胃癌です。
特に60~70歳代で多く発症しますが、高齢者の場合は若年層に比べ隆起型の胃癌が多く、比較的進行も穏やかです。
胃癌の基本的な治療方法としては、外科手術が適用され、進行度合によって部分切除~全切除が標準でしたが、近年ではQOL向上の観点から、なるべく切除する部分を小さくする、という方法がとられています。
特に高齢者は治療において、術後の食欲不振による体力低下、長期入院による筋力の低下や、認知症が進行するなど、退院した後に以前と同じような生活が望めなくなる可能性があります。
もちろん癌の進行度合いや年齢にもよりますが、治療と安全性のバランスを考慮し薬物療法で経過観察を行う方法もとられています。
胃癌になりやすい人の特徴とは
胃癌は症状がみられないことが多く、癌の種類によっては進行が早いために、発見された時にはすでに手遅れ・・・ということも少なくありません。
普段の生活で辛いものを好んでよく食べる、喫煙している、アルコールを良く飲む、ストレスが多いなど胃に負担がかかるなどの項目に当てはまるような方は、胃癌の発症リスクが高くなると考えられています。
そのような方は、なるべく早い段階で生活習慣を見直すことが胃癌を予防する有効策といえます。
また、特に40歳以上の方は発症率が高くなるため、年に1回以上の胃癌検診を受けることをおすすめします。胃癌はとにかく早期発見・早期治療することが重要です。
前述した症状に少しでも当てはまる方はそのまま放置せずに早めに病院へいくこと、また症状がないからといって安心せず、普段の生活を見直すとともに、検診を受けることが自身の健康を守る上で最も大事だと言えるでしょう。
まとめ
胃癌の症状を知って早期発見・早期治療に繋げよう
胃癌は大きく2種類にわけられる
胃癌には特有の症状がない!?
高齢者は胃癌になりやすい?治療方法は?
胃癌になりやすい人の特徴とは