胃潰瘍の殆どは、ピロリ菌感染による慢性胃潰瘍です。それ故、現在では胃潰瘍の治療は薬物でピロリ菌を除菌して治癒させ再発を抑える方法が良いとされています。
これにより、昔ほど厳しい食事制限をしなくて済むようになりました。しかし、不摂生な飲食やストレスが胃に悪影響を及ぼすことは変わりません。今回は、 胃潰瘍 の予防や再発を抑えるための 食事 のポイントをご紹介します。
胃潰瘍の予防と再発を抑える食事のポイント
基本は規則正しい食習慣
空腹が続くと、胃に食べ物が入ってきません。そうすると胃液が濃くなって、胃粘膜を過度に刺激し炎症を起こしやすくなります。不規則な食習慣は、生体リズムに悪影響を及ぼします。規則正しく食事をすることで、体内リズムを正常に保ち胃の消化機能を適正化します。
胃潰瘍を治療中の場合は、できるだけ空腹が続かないようにする必要があります。だからといって、一回の食事の量を多くし過ぎると、かえって胃に負担をかけてしまいます。基本は腹八分目ですので、適度に間食を摂ることで空腹を補うこともひとつの方法です。
ただし間食するなら、あまり甘いものや消化の悪いものは避けてください。バナナなどの酸味の少ない果物や、コップ一杯程度の牛乳が良いでしょう。くれぐれも、一度に多くの量を摂取しないようにしてくださいね。
胃潰瘍の予防や治療に適した食物
胃酸の過剰分泌を抑えてくれる、ビタミンUが豊富な緑黄色野菜。キャベツやほうれん草、ブロッコリーなどが良いですね。カボチャやニンジンはビタミンA・Eが豊富なので、弱った胃の修復に効果があります。ご飯は、雑炊やおじやなど柔らかくして食べる方が良いですね。その他、パンやうどんもOKです。
肉類はできるだけ消化の良い鶏肉にして、脂肪分の多い牛や豚は食べるなとは言いませんが少なめにしてください。しかし牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品は大丈夫です。卵を食べる場合は、固ゆで卵は消化に悪いので半熟たまごや茶碗蒸しなどが良いでしょう。魚類は、白身魚が無難です。タコやイカ、脂の多い魚はなるべく避けた方が良いですね。
避けた方が良い食物
まず、酸味が強い物や味の濃い物は避けてください。味付けの基本は薄味です。過度な塩分摂取は、胃がんの一因とも言われていますから。
それから、繊維質の多いゴボウやタケノコ、セロリなども良くありません。きのこ類や海藻類も消化に悪いので減らした方が良いでしょう。麺類がお好きな方も多いでしょうが、残念ながら中華麺やスバゲティー、蕎麦は消化に良くありません。
それから、調味料にも気をつけてください。刺激の強い香辛料は、できるだけ避けてください。濃い紅茶や日本茶、コーヒーに含まれたカフェインも摂り過ぎないように。
これらは絶対口にしてはいけないという物ではありません。しかし、できるだけ胃に負担をかけないという意味で、なるべく控えた方が良いと言われている物です。とはいってもあまり神経質になって、我慢し過ぎてストレスを溜めてしまっては元も子もありません。
ですので、程々を心掛けてください。もし胃潰瘍の治療中だとしたら、医師と相談しながら適切に食事療法をしてください。
最も気をつけなければならないのは、過度なアルコールの摂取と喫煙です。お酒は百薬の長と言われるくらいですから、程をわきまえて適量なら問題ないでしょう。
ただし医師に止められている場合は、お酒は我慢して下さいね。そして、喫煙は百害あって一利なしです。胃潰瘍や胃がんで苦しい思いをしたくなければ、禁煙の努力を惜しまないでください。
まとめ
胃潰瘍の予防と再発を抑える食事のポイント
基本は規則正しい食習慣
胃潰瘍の予防や治療に適した食物
避けた方が良い食物