胃潰瘍になると胃が痛くなると思っている方が多いでしょう。確かに胃潰瘍の代表的な症状はみぞおち当たりの上腹部痛です。しかし解熱鎮痛薬が原因の場合、初期段階では痛みを感じないことがあります。通常、胃潰瘍の症状は、胃の痛み、過酸症状、出血が三大特徴です。
今回は、 胃潰瘍 の種類によって異なる 症状 についてご説明します。
胃潰瘍の種類と進行度による症状
胃潰瘍の一般的な初期症状
- 胃もたれ
- 食欲不振
- 酸っぱいゲップ
- 食後の胃の痛み
- 吐き気
- 嘔吐
- 背中の痛み
胃潰瘍になると、多くの場合は胃がもたれるとか食欲不振といった症状が現れ、空腹時や食後に痛みを感じます。しかしこれらの症状は、胃潰瘍でなくても日常でよくある症状ですよね。市販の胃薬を服用して、これらの症状が治まることも多々ありますから。
それに胃潰瘍になったからといって、これらすべての症状が現れるとは限りません。ですので、初期段階で胃潰瘍を見逃し、悪化して初めて気づくというケースも多くあります。
胃潰瘍が悪化した時の症状
胃潰瘍が悪化してくると胸焼けや酸っぱいゲップが多くなり、嘔吐することもあります。そのせいで食欲不振が酷くなって、体重が減少し体力が落ちてきます。更に放置して悪化させてしまうと、胃酸によってどす黒くなった吐血があり血圧の低下や脈拍が乱れることがあります。
また下血による黒色便が出るようになり、胃の炎症が膵臓に飛び火すると背中が痛くなります。潰瘍が酷くなって胃に穴があくと激痛が走り、場合によっては命にかかわる事態になりかねません。
解熱鎮痛薬が原因のNSAIDs潰瘍の場合は、初期には自覚症状がないことがあり、突然吐血などの症状が現れることがあります。
胃潰瘍には、急性胃潰瘍と慢性胃潰瘍の2種類あります。その種類によって原因と症状が異なり、痛みの強弱や有無だけで潰瘍の進行度は判断できません。
さほど自覚症状がないまま、潰瘍が進行していることがあります。ですから、定期的な検診を受けるとか、少しでもおかしいなと思ったら早めに医師の診察を受けるようにしてください。
急性胃潰瘍
急性胃潰瘍の主な原因は強いストレス、アルコールの摂り過ぎや喫煙などですが、NSAIDs潰瘍といって解熱鎮痛薬が原因の場合もあります。急性胃潰瘍は胃潰瘍全体の1割ほどで、殆どの場合は慢性胃潰瘍です。
急性胃潰瘍の症状は突発的な胃の痛みや胸焼けなど、食後に胃が痛くなるのが特徴です。病状が悪化すると、吐き気を感じて嘔吐することがあります。
また初期症状がなく、潰瘍が酷くなって突然吐血することがあり、そこで初めて胃潰瘍だと気づく場合もあります。胃に穴があいて出血すると貧血を起こし、下血によってタールのような黒色便が出るという症状が現れます。
慢性胃潰瘍
胃潰瘍の殆どは、慢性胃潰瘍です。そして、その9割がピロリ菌感染によるものです。普段の不摂生やストレスが原因ではありません。胃の中で繁殖したピロリ菌が毒素を出して胃粘膜を傷つけ炎症を起こすのです。症状としては、慢性的に胃や背中に痛みが起こります。
人によって痛みの感じ方は様々ですが、主にみぞおちあたりに鈍痛を感じる場合が多いようです。急性胃潰瘍と違って、空腹時に胃の痛みを感じます。また、寝ている時に胃が痛くなって目が覚めるといったこともあります。
しかし急激で激しい自覚症状がないケースが多く、痛みがあっても短い時間で治まってしまうことが殆どです。そうして、長い時を経てじわりじわりと進行して胃潰瘍になるのです。慢性であるが故に再発率が高く、生涯をかけて胃潰瘍と付き合うケースも多々あります。
まとめ
胃潰瘍の種類と進行度による症状
胃潰瘍の一般的な初期症状
胃潰瘍が悪化した時の症状
急性胃潰瘍
慢性胃潰瘍