胃ろう造設を考える方、造設をされた方やその生活を支えておられるご家族がたくさんおられます。いつかは自身がそうなるのかもしれないと考えたときに「生きるとは何か」という大きな壁にぶつかることは否めません。
考え方はさまざまですが、 胃ろう を選択した方・される方に胃ろうの 看護 方法をご説明いたします。
胃ろうで目指す生活の質の向上とその看護方法とは(前編)
「胃ろう」とはなにか
胃ろうとは、必要な栄養素や水分の自発的な経口摂取が困難になったものの、胃腸に大きな問題がなく、4週間以上の生命予後が認められる場合に適応になります。
胃に、瘻孔をあけて栄養剤や水分を取り入れる入口を造るのです。胃ろう造設をすると、造設当日から栄養・水分補給が可能ですが、ポイントを押さえた看護が必要になってきます。
自発的に食べられない・食べない、食べても誤嚥性肺炎を繰り返す、がんなどによる口腔内~胃までの食べ物の通過障害がある場合、クローン病などの長期経腸栄養が必要な方が、胃ろう造設の検討対象です。
本人の意思確認がかなわない体の状態になっていることが多く、最終的な判断は、家族に委ねられているのが現状です。医師からの説明を受け、多くの方が迷い悩まれています。
決断を下したら、胃ろう造設は手術と同じで、ご本人とご家族の同意、胃ろう造設当日・交換日の付添いが必要になってきます。
胃ろうの考え方はさまざま
胃ろうによって生きること、生きながらえることを、不自然だという方もいれば、胃ろうがいいと考える方もいます。生命の在り方について、正解はありません。
海外では、経口摂取ができなくなったら自然に死を待つといったことが多く、日本ほど胃ろうが盛んではありません。
どのように考えるかは、ご自身次第であり元気な時に万が一の胃ろうの造設の決定の有無について、最期の在り方について考えることも必要なのかもしれません。
胃ろうを造設する高齢者の多くは要介護者
胃ろうを造設される高齢者の多くは、介護を必要とされる方がほとんどです。中には、ご自身で胃ろうの管理をされている方もおられます。在宅で胃ろうを管理する場合、訪問看護による指導や管理はもちろんですが、基本的にはご家族が対応します。
胃ろうの投与方法や管理方法についてはきちんとした知識が必要です。誤った方法や管理は、合併症や感染症のリスクに繋がります。
また、必要があれば、痰を吸引する器械を用いて痰吸引も適宜行う必要も出てくることでしょう。医師・看護師によるサポートを受けながら、常に的確な判断が必要になってきます。
まとめ
胃ろうで目指す生活の質の向上とその看護方法とは(前編)
「胃ろう」とはなにか
胃ろうの考え方はさまざま
胃ろうを造設する高齢者の多くは要介護者