痔は高齢になるほど罹患者が多くなっている傾向にあります。病院へ行くほどではないと放置した状態で治ることもありますが、痛い場合にはきちんとした治療が必要になります。
今回は、痔の種類や 痛い 痔 の進行症状、気を付けたい日常生活の習慣、予防法などについてご説明します。
痛い痔の症状と気を付けたい日常生活の習慣(前編)
痔はめずらしい病気ではなく成人の3人に1人が患っている
成人の3人に1人が患っているといわれる痔。とても身近な病気といっても過言ではありません。痔は高齢になるほど患者数もふえる傾向にあります。
その理由としては、加齢にともなって腸内の悪玉菌が増えて腸内環境が乱れることで便秘になることが多くなります。また、高齢になると腹筋が弱くなり、肛門のまわりの組織が弱くなることで、痔になる条件が増えるためだと考えられます。
高齢者が多い傾向ではありますが、成人の3人に1人が罹患している病気ですから、もちろん20代~50代のかたもいらっしゃいます。妊娠中や出産後に痔になる女性も少なからずいらっしゃるのです。
痔の種類と特徴的な症状・・・痛い痔は?
痔というのは、肛門や肛門周辺におこる病気のことです。痔には代表的に3つの種類があります。痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(あな痔)の3つです。
それぞれの状態、おもな原因、症状、進行した場合についてご説明します。
痔核(いぼ痔)について
痔核には内側にできる内痔核と外側にできる外痔核があります。内痔核は直腸の下や肛門にある静脈を含めて肛門を閉じる役割をする部分がうっ血してふくらんだものです。いわゆる肛門よりも内側にイボができるため、触ってもわかりません。
痔核(いぼ痔)は、痔の中で一番多くみられます。原因としては、便秘気味でトイレで長時間同じ姿勢で座った状態で、排便時に強くいきむなどがあげられます。妊娠や出産がきっかけで痔になった方も少なからずいらっしゃいます。
症状は、痛みはほとんどなく、排便時に出血して気づきます。進行すると、いつもぷりんとした痔核が出て指で肛門の中に押し込まなくてはもどらなくなります。状態が進むと、指で押しても痔核が出たままになってしまいます。
外痔核の状態は、肛門の外側に血まめのようなものができたようになります。原因は、便秘や下痢、辛い物を摂りすぎる、アルコールの摂取量が多い、長時間歩く、反対にずっと座りっぱなしのことが多いなどがあげられます。冷えやストレスからくる場合もあります。
症状として腫れて激しい痛みがあります。出血はそれほどありません。
裂肛(切れ痔)
切れ痔は肛門の近くの皮膚が切れ、裂けてしまう痔のことです。原因は、便秘などのときに硬い便を出そうとしてその刺激で切れることが多いようです。慢性的な下痢によって炎症としておこる場合もあります。便秘のかたに多く見られる痔です。
症状は、とにかく排便維持に痛みと出血があります。トイレのあとも痛みが続きます。進行していくと、裂け目がだんだん深くなり炎症がおきて潰瘍やポリープができて、肛門が狭くなってしまうことがあります。
痔瘻(あな痔)
肛門の奥にあるくぼみに大腸菌などが感染し、炎症がおこり化膿して膿がたまる痔です。肛門の横や脇にシコリを感じます。
この状態は肛門周囲膿瘍といわれる段階ですが、この症状が繰り返されると、細菌の入り口と膿が皮膚を破って流れ出てしまう部分がトンネルのように貫通してしまいます。この状態が痔瘻です。
原因は、下痢やストレスによる免疫の低下があげられます。男性に多い傾向があります。症状は、肛門の周囲の皮膚が腫れて肛門が全体的にズキズキと痛みます。お尻や肛門が熱をもったように熱くなります。痔瘻まで進むと高熱がでることもあります。
出血はあまりありませんが、便と一緒に膿が出て下着がよごれてしまう場合があります。一度空いてしまった穴は塞がりません。痔瘻になると手術が必要になります。
敗血症や癌化する恐れもあるため、必ず病院に行かなければ治らないほど辛い症状になる可能性があります。
高齢者で痔を患っている方は、イボ痔や切れ痔の症状においては特に若い人と高齢の方で大きな違いはありません。ただ、治るスピードを比べると、高齢者の方が多少遅くなることがあります。
完治するスピードが遅くなるということは、それだけ痛みにも長く耐えなければなりませんから、痛みに対する対処法も考える必要があります。
まとめ
痛い痔の症状と気を付けたい日常生活の習慣(前編)
痔はめずらしい病気ではなく成人の3人に1人が患っている
痔の種類と特徴的な症状について・・・痛い痔は?