「褥瘡の好発部位とその対策とは?(前編)」では、褥瘡ができる理由や好発部位についてご説明致しました。後編では、病院や施設では実際にどのような取り組みがおこなわれているのかご紹介致します。
ご自宅で身体介助をおこなう場合も 褥瘡 の 好発部位 には特に注意して観察するようにしましょう。
褥瘡の好発部位とその対策とは?(後編)
褥瘡を防ぐことは可能?
寝る姿勢を変えても、寝ている限り常にどこかは圧迫されていることになりますので、同じ部位がずっと圧迫され続けないようにすることが大切になります。自分で寝返りをうつことができない寝たきりの人の場合には、誰かがその代わりに体勢を変えてあげる必要があります。
それをしないで同じ体勢のまま寝たきりにしておくということは、褥瘡ができるのを放置しているのと同じことになってしまいます。おのずと、2時間以内ごとに体位変換をして、同じ部位が圧迫され続けないようにしてあげることが必要になってきます。
病院や施設での取り組みと家庭でできること
褥瘡への対策として病院や施設でされている取り組みをご紹介してみましょう。
体位変換
やはりまずは体位変換を行って2時間以上同じ部位が圧迫されるのを防ぐことが重要です。体位変換表を作って忘れないように管理したり、30度側臥位というお尻の筋肉の広い部分で体重を受ける体位を活用したりといった工夫も必要です。
体圧分散マット
次に、ある程度費用をかけることが可能であれば体圧分散マットを使用して、特定の部位が圧迫されるのを防止したりすることが可能です。自動で圧を切り替えて、体位変換に近い効果が得られるものもあります。
栄養管理
褥瘡には栄養状態も大きくかかわってきますので、栄養管理は重要になってきます。どの程度の栄養やカロリーを摂取することができているか管理して、状態に合わせてしっかりと対応することが、褥瘡の経過に大きく影響してきます。
スキンケア
皮膚の圧迫だけでなく、湿潤や汚染も褥瘡には大きく影響してきます。湿潤しやすい部分のケアはとても大切ですし、少しの変化も見逃さずにしっかりと対応することで、褥瘡が重症化するのを避けることができるケースも多くあります。
病院や施設においてはこれらの取り組みが可能ではありますが、すべてのところでしっかりと行われているわけではなく、格差があるのが現実です。
利用する前に、施設が行っている褥瘡への取り組み等を確認する必要があるでしょう。また、家庭において家族だけでこれらの全てを行うことは、時間的にも経済的にも不可能だと思われます。
しかし、在宅医療や訪問看護、訪問介護、介護保険の福祉用具レンタルなどをしっかりと活用することで、かなり充実したケアを行うことも不可能ではありません。ケアマネや医師等の専門家にしっかりと相談しながら最適な方法を探していきましょう。
まとめ
褥瘡の好発部位とその対策とは?(後編)
褥瘡を防ぐことは可能?
病院や施設での取り組みと家庭でできること