近年のストレス社会において急増している疾患は過敏性腸症候群です。腸の病気だろうと推測はできるのですがどのような症状なのでしょうか。漢方薬で対応するのもいい方法かもしれません。
今回はこの 過敏性腸症候群 でみられる症状と効果のある 漢方 薬についてご説明します。
過敏性腸症候群には漢方薬で対応するのもいいかも
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群とは下痢や便秘などを繰り返す病気です。必ず痛みがあるのが特徴です。はっきりとした病変がないので病院でレントゲンや内視鏡の検査をしても原因がわかりません。
この病気はストレスが大きく影響していると考えられています。ストレスを感じてストレスホルモンが出ることで、刺激を受けた腸が異常に働くことにより過敏性腸症候群の症状があらわれます。
ストレスが関係していることにより精神的な問題も関わっており根本的な問題を解決しなければならないため、なかなか完治できない病気でもあります。
過敏性腸症候群の症状
過敏性腸症候群の症状には3つの型があります。下痢型と便秘型と交代型です。
下痢型は突然急激な腹痛がおこりトイレに行きたくなります。通勤の時や通学での電車やバス、大事な会議の前や試験前などストレスや緊張を感じる時に腹痛がおこります。水便や下痢になります。1度ではなく慢性的に繰り返す特徴があります。
便秘型は便がコロコロとしたうさぎの糞のようになり、便が出にくいのが特徴です。便秘で排便が1週間に3回もなく排便時に腹痛がおきます。強くいきまないと便が出ず、少し出ても便が残った感じがします。
交代型は便秘と下痢が繰り返されます。腹痛がおこり、おなかが張って苦しくお腹がぎゅるぎゅる鳴ってしまうという症状があります。
過敏性腸症候群に効果のある漢方
過敏性腸症候群は腸の機能がかなり弱っています。漢方薬は腸の働きを強くしたり、腸がけいれんすることで便が出ないのであればけいれんを止める効果があります。腸の機能をもとに戻すよう働きます。漢方薬は全身の血液の巡りを良くし、腸の血流も増やして腸の働きを高めてくれます。
桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)は冷えがあり下痢、腹痛の下痢型または交代型に使われます。
桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)は体力が低下していて腹痛が強く頑固な便秘の便秘型の方に使われます。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)は交代型に使われます。便がべとべとした状態で、便やおならのにおいが強い場合に使われます。
真武湯(しんぶとう)は疲労性の下痢や便秘、交代型に使われます。身体を温めるので冷え性の方や疲れやすい方の場合に使われます。
小建中湯(しょうけんちゅうとう)は下痢と便秘を繰り返して疲れやすくて食欲にムラがある場合に使われます。
大建中湯(かいけんちゅうとう)は体力がなくてお腹が冷えて痛く、腸がゴロゴロと動くのがわかるような場合に使われます。
逍遥散(しょうようさん)は下痢や便秘型、交代型にも使われます。便が細くまたはコロコロして残便感の強い場合に使われます。ストレスが強くて疲れると症状が出る方に向いています。
これが全てではありませんが、代表的な漢方薬です。
漢方薬のおすすめポイント
漢方薬は胃腸が重要であると考えていて、胃腸の働きを正常にすることが得意な薬です。症状だけを止めるだけではなく消化機能を高めて胃腸の働きから整えていきます。
また過敏性腸症候群は精神的な要因が考えられる病気ですから、身体の状態だけでなく気持ちや自律神経の働きを整える必要があります。漢方はこのような精神や神経的な部分にも働きかけるので効果が得られるのでしょう。
ただ漢方薬には即効性がないのでじっくり時間をかけて正常な状態に戻していきます。
過敏性腸症候群はとても辛い症状のある病気です。ストレスがそのまま身体の症状としてあらわれてしまうとてもデリケートな病気と考えられます。問題は症状を改善するだけではなく、ストレスが何なのか見極める必要もあります。
体調がすぐれず気分まで落ち込んでしまっては大変です。できる限りストレスをためないようにして症状を少しでも軽減できる漢方薬を見つけてみてください。
まとめ
過敏性腸症候群には漢方薬で対応するのもいいかも
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群の症状
過敏性腸症候群に効果のある漢方
漢方薬のおすすめポイント