関節リウマチとは、自己の免疫の乱れから発症する病気で、主に手足の関節を侵され関節痛、関節の変形が生じてしまう病気です。現在日本には、60万~70万人の関節リウマチ患者がいて、特に女性患者が多いという特徴があります。
関節リウマチの治療方法は、医療の発達により痛みを抑えるだけの治療から、症状の進行を食い止める治療へと進化しています。長期的に向き合わなければならない病気のため、日常生活の中での姿勢も重要です。今回は 関節リウマチ 治療 の4つの柱をお伝えします。
関節リウマチ治療の4つの柱
薬物治療
薬物治療は関節の炎症を抑える治療から、免疫異常を直接解決するための薬物療法へと進化しています。薬物療法が中心となりますが、薬にもいくつか種類があります。
1つ目は抗炎症剤、という炎症を抑えて痛みを抑える薬で、非ステロイド系抗炎症剤とステロイド系抗炎症剤に分かれます。非ステロイド系抗炎症剤は、痛みや炎症のもとになるプロスタグランジンという物質が体内で生成されるのを抑える役割を果たします。
ステロイド系抗炎症剤は、福腎皮質ホルモンを人工的に合成した抗炎症剤で、免疫の働きを抑える作用もあります。一方で効果は強力ですが、根本的治療には繋がらず副作用も出てしまうため、使用する場面は非ステロイド系の薬では炎症が抑えることができない場面などに限定されます。
2つ目に抗リウマチ剤という免疫の異常を改善する役割を果たす薬物療法があります。この抗リウマチ剤の中でも、免疫調整剤と免疫抑制剤と2種類の薬剤があります。
免疫調整剤は、免疫の異常を治すための薬剤ですが、一般的に抗リウマチ剤は効果が出るのが遅く、飲み始めから2ヶ月経たないと効果が出ません。
免疫抑制剤は、白血球やリンパ球が新しく生成されないよう免疫の働き全般を抑える薬ですが、副作用が出やすく使用方法が難しいのが課題です。
リハビリテーション
関節リウマチは関節の変形、筋力の低下、骨の損傷などの症状から時間が経つと、手足が自由に動かなくなってしまうリスクがあります。
関節や筋肉の機能低下を防ぐために、運動療法を用いたリハビリテーションを行います。運動療法、物理療法、作業療法、装具療法の4つの代表的な療法があります。
1つ目の運動療法は、筋力の低下を防ぐために行います。等尺運動やリウマチ体操など種類があるので、専門家と相談しながら症状にあった療法を行っていくことが大事です。2つ目の物理療法は、水、温熱、超音波などの物理的な刺激により血液循環を改善します。
3つ目の作業療法は、手や手首の回復を目指すためのリハビリテーションです。ワープロ、絵画、書道、木工など様々な手作業を行います。仲間づくりの1つのきっかけにもなり、患者のメンタリティーの助けにもなっています。
4つ目の装具療法は、装具を用いて関節の負担を軽減したり矯正を行う療法です。炎症部分の安静を保つことで、炎症鎮静効果も期待できます。
手術による治療
関節リウマチでは、薬物療法やリハビリテーションを行っても関節破壊が進行して日常生活に支障をきたすレベルになれば、手術療法を行わければなりません。
手術療法では、破壊された関節を人工関節に置き換えるための手術を行います。滑膜切除術、関節固定術、人工関節痴漢術などいずれも、関節の症状進行状態に応じて手術を進行します。
最近では手術技術の進歩、人工関節の材質の進歩などにより人工関節再置換術も多くなってきています。しかし手術を行えば、一生症状が出なくなるわけではなく術後の経過は、個人差があります。
薬物療法やリハビリテーションでは、どうにもならない程に症状が悪化した時に手術を検討しましょう。
日常生活の見直し
関節リウマチになってしまった場合には、症状を悪化させないために日常生活においても気をつけるべき点がいくつかあります。
1点目は睡眠時間です。出来るだけ夜間の適正な時間帯に十分な睡眠をとるようにしましょう。睡眠の乱れは、免疫機能の乱れにつながり、関節リウマチの症状を悪化させてしまいます。決まった時間に睡眠をするように心がけましょう。
また喫煙をやめるべきです。喫煙も免疫機能を悪化させるため、関節リウマチ発症との相関性が指摘されており、さらに関節リウマチの関節外症状の間質性肺炎を悪化させることがあります。
この他にも、日常で体を動かす時に関節に負担がかからないように意識して、関節の負担を和らげることが大切です。
まとめ
関節リウマチ治療の4つの柱
薬物治療
リハビリテーション
手術による治療
日常生活の見直し