リウマチ、といえば一般的に関節リウマチのことをいいます。主な症状は、関節の痛みや腫れで、さらに左手が傷んだら右手も傷んだ、というように左右同時に症状が現れるのが特徴です。だるさや疲れやすさ、といった全身の症状に繋がりやすい病気です。
リウマチという病名の由来はギリシャ語で、リューマという「流れ」を意味する言葉です。古代ギリシャでは関節が痛む病気は、脳から悪い液体が関節にたまったことが原因とされていましたが、医療の発達とともに原因も少しづつ分かってきました。
今回は 関節リウマチ が発症する3つの 原因 についてお伝えします。
関節リウマチが発症する3つの原因
免疫の異常
関節リウマチは、通常は自分の組織を守る免疫機関に異常が生じて発症します。免疫系(リンパ球)が自分自身の組織を異物と間違えて認識し、攻撃をすることで関節の滑膜に炎症が起きます。
そして炎症が起きた滑膜や免疫細胞が、炎症性サイトカインを放出することで関節全体に炎症が広がります。サイトカインとは、さまざまな細胞から分泌されるタンパク質の1種で、体内の細胞間の情報伝達を行います。
しかし免疫に異常が起きて、炎症を引き起こすにサイトカインが過剰に作り出されてしまいます。そして軟骨や骨が破壊され、関節が変形して、関節全体の痛みに繋がります。
細菌やウィルスの感染
関節リウマチの原因の1つに、ウィルスなど微生物の感染が挙げられます。免疫とは、体外から侵入してきた細菌やウィルスの異物を排除するための仕組みです。細菌やウィルスをきっかけに、免疫の仕組みが乱れることがあります。
外部からの感染、体内での潜在的な感染の2つの可能性があります。病院では血液検査が行われ、関節リウマチの炎症の強さを検査します。そこで関節リウマチの状態、合併症の有無が炎症反応検査で判断されます。
関節の滑膜にウィルス、細菌感染が確認された場合は、抗リウマチ薬に加えて抗生物質も必要です。
代謝の異常
様々な物質を体内で利用しやすいように合成や分解をする過程のことを代謝といいます。代謝機能に異常が起きて、尿酸やカルシウムなどの物質が分解されずに付着して、痛みや炎症をもたらします。
この代謝異常のリウマチには、甲状腺疾患、痛風、糖尿病性関節炎などいくつか種類があります。代謝の異常で関節リウマチが発症する人には、タンパク質や鉄の代謝に異常があり、慢性炎症が見られるケースが多くあります。
慢性炎症からタンパク質の機能低下が起き、炎症を修復できずに症状が慢性的になり、関節リウマチへと繋がっていきます。また、関節リウマチはタンパク質などの栄養を次々と消化して、栄養失調状態をもたらし、さらに免疫能力が低下して症状の悪化が進行してしまうので注意が必要です。
サイトカインとは何か
サイトカインとは、関節リウマチを引き起こす物質の1つですが、生体防御や免疫機構を担う重要な生理活性物質です。特徴として、多機能、多様な産生細胞、ネットワーク機能、カスケード反応などの役割を果たします。
ウィルスなど異物が体内に侵入すると、最終的に局所でサイトカインが産生されます。そのサイトカインは、異常な情報を除去、修正して正常に戻す働きもしますが、時にはサイトカインの制御システムは逸脱することもあり、病変が生じます。
本来は生体防御反応のはずの、炎症惹起作用が関節リウマチ病態形成になることもあります。
治療
関節リウマチは、命にかかわる病気ではないと言われますが、放っておくと関節破壊が起きるこわい病気です。近年の治療法、治療薬の進歩により関節リウマチは症状を改善することが可能になってきています。
関節リウマチの治療方法は、薬物治療、手術治療、リハビリテーションの3つが挙げられます。基本は薬物治療を中心に治療を進めていきます。最近では医療が発達してきて、これまでの炎症を抑えるだけの治療から、免疫異常を直接解決する薬物治療も可能になってきました。
医療の進歩により、早期発見・早期治療を行うことができれば症状が改善される人は増えています。薬物治療も大切な一方で、関節リウマチにおいて大事になるのが、日常生活でのケアです。
免疫機能の異常は、生活リズムの崩れにより生まれることもあります。睡眠時間、食生活、さらに関節に負担をかけないような工夫などを心がけることが大切です。関節リウマチは末期症状になると、日常生活を送ることも困難になってきます。
まとめ
関節リウマチが発症する3つの原因
免疫の異常
細菌やウィルスの感染