「下肢静脈瘤は手術をした方が良いのか?(前編)」では、下肢静脈瘤の 手術 方法をご紹介いたしました。後編では、 下肢静脈瘤 の種類や原因、予防法についてお伝えいたします。
下肢静脈瘤は手術をした方が良いのか?(後編)
下肢静脈瘤の症状と種類
下肢静脈瘤はうっ血による静脈圧の上昇で起こります。
その症状には、ふくらはぎや膝裏の血管が蛇行し、浮き出している、血管がクモの巣状で目立っているなどのほか、だるい、ほてる、疲れる、痛い、むくむ、つる、かゆみなどとともに、皮膚組織の繊維化、皮膚血液の悪循環などから皮膚炎、湿疹、色素沈着、潰瘍などが起こる場合もあります。
下肢静脈瘤の種類には、表在静脈で高頻度の静脈瘤を形成する大伏在静脈瘤、小伏在静脈瘤、側枝静脈瘤、陰部静脈瘤、皮膚静脈が網目状に広がる網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤があります。
下肢静脈瘤は、40歳以上の女性では全体の約10%が、また、30歳以上の男女では約60%の人に認められています。
また、下肢静脈瘤は、女性、加齢、脂質異常や遺伝により、立ち仕事の人、エコノミークラス症候群経験者、高身長の人、マラソンランナーやサッカー選手などに多く発症します。
下肢静脈瘤の原因と予防
血液還流が正常に機能しなくなる原因には、下肢筋肉の衰え、胸腔内の陰圧状態が不十分、腹腔内圧の上昇、どろどろ血液、長時間の逆流負荷や過度の運動などで逆止弁が損傷、女性ホルモンの影響などがあります。
その予防として、30分程度の歩行、朝晩に深呼吸を実施、足を少し高めに就寝、1.5リットル以上の水の摂取、長時間の立ちっぱなしを避ける、過度の運動は避ける、脚マッサ-ジの励行などがあります。
下肢静脈瘤の検査法
血液の逆流の有無を調べる下肢静脈瘤超音波(エコー)検査と、血管造影の静脈造影検査(ベノグラフィー)があります。ドップラー血流計は、赤血球に超音波をあて、血液の速度変化を音の変化で表わします。血管内での逆流の有無を調べます。
また、カラードップラー検査は、血流をカラー画面で表示します。容積脈波検査は足の静脈機能の精検を行います。
まとめ
下肢静脈瘤は手術をした方が良いのか?(後編)
下肢静脈瘤の症状と種類
下肢静脈瘤の原因と予防
下肢静脈瘤の検査法