下肢静脈瘤 は女性にとっては大きな悩みです。血管がボコボコと浮き出てしまったり、クモの巣のように青く血管が見えてしまったりと、脚を見せることが苦痛になってしまいます。でも、きちんと治療を受ければ元のような状態に近づけることは可能です。悩まずに早めに治療を受けましょう。
下肢静脈瘤とは?~血管がボコボコで気になる~(前編)
下肢静脈の仕組み
下肢静脈瘤という病気を理解する上で、まずは下肢静脈の仕組みを理解する必要があります。
血液は心臓というポンプによって体中に届けられますが、心臓に戻ってくるのはどういう仕組みかご存知でしょうか?心臓よりも高い場所であれば重力によって自然に戻って来るんですが、心臓よりも下の血液は重力に逆らって戻って来なければなりません。
そのための仕組みが下肢静脈にある静脈弁です。下肢の筋肉が収縮することによって静脈内の血液は心臓に向かって押し出されますが、力を抜けばまた重力によって戻されてしまいます。それを防ぐために下肢静脈には下に戻ってこないように逆流を防止する弁がついています。
下肢には太い静脈から細い静脈まで無数に血管が張り巡らされていますが、それぞれに逆流をしないように静脈弁がついていて、共同で心臓に向かって血液を押し出しているようなイメージです。
下肢静脈瘤の原因とは?
さて、下肢静脈の仕組みを理解したところで、次に下肢静脈瘤の原因についてご紹介しましょう。
下肢静脈瘤は、これらの静脈弁が壊れてしまうことによって血液が逆流してしまい、停滞した血液によって様々な問題が起こってきます。
下肢の静脈弁が壊れてしまう原因については、妊娠や出産、長時間の立ち仕事などによって静脈弁に負担がかかってしまうことが主な要因であり、40歳以上の人の約半数ほどに下肢静脈瘤があるとも言われています。
また、体質も大きく関係していると考えられています。壊れてしまった弁は自然に治ることはありませんので、辛い症状がある場合には治療が必要になります。
下肢静脈瘤には種類がある?
下肢静脈瘤には大きく分けて4つの種類がありますが、それは静脈瘤が発生する血管の種類によって分かれています。
伏在静脈瘤
伏在静脈瘤は、太ももの内側やふくらはぎの大きな血管に起こる静脈瘤で、コブのように血管が拡張したり、ボコボコと蛇行したように浮き出たりします。
側枝静脈瘤
側枝静脈瘤は、伏在静脈瘤ができる太い血管から枝分かれした、少し細目の血管に起こる静脈瘤であり、コブもやや小さめになります。膝から下に多くみられます。
網目状静脈瘤
網目状静脈瘤は、径が2~3ミリ程度の血管に起こる静脈瘤ですが、膝の裏あたりにできることが多く、血管が青い網目状に浮き出て見えます。
クモの巣状静脈瘤
クモの巣状静脈瘤は、皮膚の浅いところにある、ごく細い血管がクモの巣のように浮き出て見えるタイプの静脈瘤です。
まとめ
下肢静脈瘤とは?~血管がボコボコで気になる~(前編)
下肢静脈の仕組み
下肢静脈瘤の原因とは?
下肢静脈瘤には種類がある?