下肢静脈瘤 の 病院 における治療法には、弾性包帯・ストッキングを用いる保存的治療(圧迫療法)、静脈瘤に薬注し固める硬化療法、断端を縛って逆流を止める高位結紮術、弁の壊れた静脈を引き抜くストリッピッング手術、RF血管焼灼術の高周波RF治療、静脈にレーザーファイバーを挿入して治療を行うレーザー治療があります。
下肢静脈瘤!病院での治療法は?
下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤とは、足静脈の弁が壊れる血管の病気です。足の静脈は重力に逆らって血液を心臓に運ぶため、血液の逆流防止弁がついています。何かの原因で弁が壊れると血液が逆流して血管に留まるようになります。
その結果、足の血管が浮き出し瘤のようになり、血管が目立つようになります。足の色が変色し、むくみが発現します。また、深部の静脈に血栓ができ、表面静脈が拡張する場合もあります。
エコノミークラス症候群の原因もこの血栓です。生まれつき血管が拡張する血管形成異常の先天性下肢静脈瘤があります。
今回は、病院での下肢静脈瘤の治療法についてお話します。
病院での下肢静脈瘤の治療法に保存療法、硬化療法、高位結紮術、ストリッピング手術(静脈抜去手術)、高周波RF治療、血管内レーザー治療などがあります。
保存療法
弾性包帯や弾性ストッキングなどで足全体を圧迫し、静脈血の還流・循環を補助します。
硬化療法
静脈の血流を薬剤で固め、血管内側を壊してから圧迫しつける治療法です。網目・クモの巣状静脈瘤や高位結紮術、レーザー治療の追加治療として利用されます。
高位結紮術
静脈瘤の発生源、鼠径部の深部・表在静脈の移行部を縛り、逆流を防止する治療法です。不全穿通枝、大・小伏在静脈瘤などの特殊な形態の静脈瘤に適用されます。多くの場合他の治療法と併用します。
ストリッピング手術
静脈瘤の原因となっている血管を引き抜く手術です。大・小伏在静脈瘤は処理可能な静脈瘤です。レーザー治療で対応ができない大きな静脈瘤にも対応が可能です。以前は1~2週間の入院治療でしたが、今は4~5日での治療が可能です。
高周波RF治療
高周波RF治療は血管中にカテーテルを挿入し、高熱で血管内腔を閉鎖し逆流を防止する療法です。
血管内レーザー治療
血管内レーザー治療の処理可能な静脈瘤は大・小伏在静脈瘤です。レーザー光線によって逆流を起こしている血管を焼灼する治療法です。ストリッピング手術と同様の効果があります。
照射熱量は最小、手術時間は最短、身体への負担が少ない、治療成績が良好などの利点があります。レーザー治療は保険適用となっています。血管内焼灼術では、皮膚熱傷や血栓症を形成する場合があるので注意が必要です。
下肢静脈瘤の型
最も多い下肢静脈瘤は大伏在静脈瘤で、太ももからふくらはぎの内側にかけて血管が瘤状にふくらみます。小伏在静脈瘤はひざの裏やふくらはぎの外側に現れます。足の付け根や太ももの裏側に現れるのが陰部静脈瘤です。
伏在静脈瘤より小さく、網目・クモの巣状静脈瘤より大きいのが不全穿通枝です。ひざの裏やふくらはぎの内側に現れるのが網目・クモの巣状静脈瘤です。
下肢静脈瘤の症状
下肢静脈瘤の症状は、ふくらはぎや膝裏の血管が蛇行、浮き出し、クモの巣状の血管が目立ちます。皮膚組織の繊維化、皮膚血液の悪循環などから、皮膚炎、湿疹、潰瘍などが起こることがあります。30歳以上の男女で約60%の人が下肢静脈瘤に罹っています。
また、下肢静脈瘤は、女性や加齢とともに、立ち仕事の人、エコノミークラス症候群経験者、脂質異常や遺伝により発症します。
下肢静脈瘤の原因
下肢静脈瘤は足を動かすことができない立ち仕事やデスクワーク、運動不足、妊娠・出産、遺伝や脂質異常などが原因になります。血液還流が正常に機能しなくなる原因は、下肢筋肉の衰え、胸腔内の陰圧状態が不十分、腹腔内圧の上昇などがあります。
まとめ
下肢静脈瘤!病院での治療法は?
下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤の型
下肢静脈瘤の症状
下肢静脈瘤の原因